2024年12月20日

すずめ(なむ)
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公開:2024/12/20

会社でインフルエンザとコロナが流行っている。

家庭内では私以外の全員がコロナに罹患した。中にはインフルエンザのABどちらも陽性になった家人もいる。

我が家ではコロナの黎明期(?)に父が罹患して以来、食事をそれぞれ別に摂る習慣が根付いた。誰かがコロナやインフルになっている間は手指の消毒なども気を掛けている。

それでもうつし合いになっているのには理由がある。これが明確でほとんど確信に近い理由なのである。

犬だ。

犬は病人も健康な者にも区別なく愛着を示し、べろんべろんと顔中を舐め、身体を擦りつけ、一緒に寝ようと懐いてくる。

消毒した手指にまとわりつき、その手や口でまた別の家人のところへのそのそと赴き、撫でてくれ、抱っこしてくれと求めるのだ。

こんなもん絶対犬が仲介しているに決まっている。家人全員察している。それでも犬を拒むことなどできないのである。

わたしが健康体を保っているのはひとえに元々頑丈なのと、家人の中でも特にうがい手洗いなどに気を遣っているからに他ならないのだが、今もわたしの部屋着の裾にじゃれついてよだれまみれにしている犬を思うと、それもいつまでもつのか……と遠い目になるのだった。