言葉の裏を想像すると、真っ暗な海が現れる。底の見えないおそろしさ。本当のことは飲み込んで、喉の奥が震えても、きれいできらきらした言葉を贈る。自分にヒビが入っていくから、プレゼントがこぼれ落ちていく。ああ、今世はこんな感じかあ。手持ちのカードで戦うにはもう、何もかもが足りないな。あの子じゃない方の方、こっちじゃない方。少なくとも、愛をもって名前があるのだけれど。本物に綻びが見える。なんて見事な偽物。ひとときの夢が見れた。穏やかに眠れる場所などどこにもない。あの子の独り言。
メロディックな獣。毎週金曜日更新✏️
SNS:lit.link/sznm0tono