呟くに至らない独り言がまた溢れてきて、ようやく言葉に出来るようになった。春はそういう季節だから、仕方がない。不安や怖いことが冬の終わりと一緒に溶けただけだから。ずっと立ち尽くしたままじゃないだけマシ、昔とは違うでしょと笑うことにした。完全勝利以外はないと吠えた父の顔が思い浮かんだ。危うく負けそうだった、でもまた勝てそう。大好きなドラマを何度も何度も観返した。
どれだけ不安定な心でいても、友達は素晴らしい。逃げ出したくなったら、京都のあの店でお腹いっぱいご飯を食べよう。余計なことで頭がいっぱいならばジムに行って追い込もう。この世界にいることが難しくなったら、映画館に行こう。行き場のない感情は、すべて表現に活かせば良い。そういうものが私にあって良かったなあと思う。
数週間色んなものに触れて、ようやく戻ってこられた感覚。さあ形勢逆転といきましょう。