sznm_otono
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「故人を思い出す時、あの世にいるその人に花が降り注ぐ。」という話を信じているので、もう良いよと言われるまで、何度も何度もその人を思って、向こうの世界にたくさんの花を降らすと決めている。

春には桜、夏は向日葵、秋は紅葉、そして冬は椿。四季折々の花をそばに咲かせては舞わせる。こちらの景色をそちらにも。ずっと忘れない。

悲しい出来事が続くと、ふとした瞬間に涙が零れたり、手が震えたり、頭が真っ白に塗りつぶされて、身動きが取れなくなったりする。

そんな時は、まず、ご飯を食べなくては。

目にかかる前髪を切れば嫌でも視界は良好で、湯船につかれば浄化される。肌を労わって体を休める。瞼が腫れてしまっても良い。

命の重量はわからない。尊さも映し出すことが出来ない。でもこの空洞は、きっと不在に対しての寂しさなんだと思う。

いつかまた。

@sznm_otono
メロディックな獣。毎週金曜日更新✏️ SNS:lit.link/sznm0tono