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昼ごろようやく始動。実家から持ち帰ってきたおせちの残りを食べて、洗濯とトイレ掃除。渋谷で映画でも観るかと思ったが、昨日の秋葉原包丁女に続きカッター男出現のニュースが流れてきたので怖くなってやめた。

一応の仕事はじめということで、昨年末恥ずかしながら編集者の仕事納めに間に合わなかった『ショーイング・アップ』評を軽く直して送付。ライカート映画はレビューというよりは解説の仕事を今まで依頼されてきた流れもあり、実質解説+αという感じになってしまったが、まあそういう記事も日本語では特に出ていなさそうなので、情報としての価値はあるかと。

そういえば、年末年始ベスト評関連でシネフィルの人たちがことごとくライヒャルト表記に拘っているのを見かけたが、あれはどういう背景があるんだろうか。記事関連で見た動画だと発音はむしろライカートの方が正しい気がするのだが。スコセッシをスコシージと呼ばないと怒る日本人にどうなんだと思わされたこともあるので、どっちにしろとかは特に思わないが、単に気になる。

去年は全く運動できなかったので年始ぐらいはと3km軽くジョギングしてプランク3分。昨日に続いて長風呂。夜は重すぎる腰をあげて久方ぶりの日記を。

寝る前に鶴田法男『POV ~呪われたフィルム』(2012)。後半の学校内を走り回るあたりの画面の見にくさは、POVならではのリアリティを高める意図があるのはわかるものの上手くいっていない。むしろ、その場にはいないはずのADが冒頭の心霊ビデオで再生されたトイレに一人で入っていき消滅し、その直後に他のメンバーたちが彼女の残したビデオカメラを発見し、その映像を再生するシークエンスのような、フィクション性が高い箇所の方がはるかに面白かった。画面手前に置かれた、つい先ほど撮られたはずのトイレ内の映像が映し出されたビデオカメラと、奥に見えるトイレの入口。ツッコミどころがあるのは明らかなのだが、複数の時間と空間が強引に重ね合わせらているこちらの場面の方に、かえってリアリティが感じられた。終盤の怒涛のメタ展開も悪くなかった。

POV設定そのものとは関係ないしこの映画での発明というわけでもなさそうだが、全体を貫くアイディアでもっとも怖かったのは、ある心霊ビデオを複数回再生した際に、なぜか最初とは部分的に異なる映像が現れてしまうという仕掛け。ある意味で映画のオチもその発想からの展開になっているわけだが、DVDやDVカム、DCPといったデジタルなメディアだからこそ喚起される恐怖というものがあるとしたら、その一つが劣化、変化なしで保存されたはずのデータにバグのように紛れ込む異常、すなわち呪いや怪異だ、とは言えるかもしれない。