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久々に大学へ。試験問題二つ作って印刷、研究費関連の請求書の整理など。

寝る前にディズニーの『眠れる森の美女』。

作業の合間にkindle読み上げで『大学生がレイシズムに向き合って考えてみた――差別の「いま」を読み解くための入門書』。教員がどれだけ手を加えているかははっきりしないところもあるが、学部生院生中心でこれだけのものが書ける大学はすごいなと。特に学部1、2年でなかなか問いを自分で考えられない、見つけられない学生へのとっかかりとしては非常に使い勝手が良さそうだし、とりわけ日本の問題との接続に常に留意している点が、なかなかアメリカの問題に当事者意識を持って取り組みにくい学生にとって助けになりそうな良書。

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朝から2コマ、午後会議3つ。さすがに疲弊。長風呂後久方ぶりに一人でビール。

若桑みどり『お姫様とジェンダー』。さすがにこの本の議論は若干古びてきた、と言える程度には世間の認識が変わってきているのは良いことではあるのか。依然として出発点として学部生に進めるにはちょうどいい本ではあると思う。

『死画像』(2015) 。3「霊感テスト」の再生するたびに和服の女の顔の向きが少しずつ変わっていくギミックは「POV」でも出てきたものだったのでそこまで響かず。最近の似たネタだと 「フェイクドキュメンタリーQ」のロシアの超能力ビデオの回(マインドシーカー)あたりの方が好みだった。

6「クニコ」、ラストは同じく録画画像が妙な動きをするパターンではあるのだが、異常なノイズやグリッチの強調、デレク・ジャーマンでも見させられているのかというぐらいにしつこい無意味パートの長さあたりはなるほど話題になるのも納得という感じ。

寺内康太郎『心霊マスターテープ2 念写』(2020)。シーズン1より良かった。コワすぎクルー参戦のドリームマッチ感もプロレス特別興行的な盛り上がりがあって笑ったし、うまく途中退場→復帰演出で盛り上げるところも心憎い。思い切りメタに振っておいて信じることや覚悟の問題を核に据える作劇は、白石はまた違った方向からある種シャマランあたりにも通じるところがあり非常にグッときた。youtuberら新興勢力も総動員、各種ニューメディアも全部盛りでつねに更新されていくリアリティの感覚をなんとか取り込もうという、昨年末の「祓除」あたりにも通じる姿勢もすごいと思うが、肝心の場面で重要な役割を担うのはニコ生、というあたりに垣間見える世代感覚も面白かった。ただ、これの後なのか前後してぐらいなのか、「フェイクドキュメンタリーQ」や「祓除」では諸々のコラボレーションを通じてyoutubeコメント欄考察勢向けにチューニングを合わせてきている感じもあり、本人の一番の関心はどのあたりなのかという点とのバランスは気になるところ。おそらく常にシーン全体の最新の動向を睨みながら、というのが制作の核にあるのだとは思うが。