日本三大名湯の一つ、下呂温泉に家族で行ってきた。
家族全員が揃うのは何年ぶりだろう。私の海外生活が続いていたこともあり、唯一のチャンスになりそうな正月に実家にこれまで寄りつく機会はなかった。転機が訪れて、実家に住み着いたおかげかみんなが一ヶ所に集まることができた。奇跡と呼ぶほかないけれど、この奇跡は努力で再現できるタイプのものだ。このような非日常だが実現可能な奇跡を大事にして生きたい。
閑話休題。自分にとって家族はかけがえのないものというほどのものでもない。誤解を恐れずに書くと、奇跡的により集まった集団であり、それほど仲がいいとは思えない。友達感覚で兄弟と連絡を取っている人がいるけれど、どんな環境がそうさせるのか、たまらなく不思議だ。ともかく、この機会に全員が集まり、取り止めのない話からキャリアや色々についてお酒片手に話し合っていた。こんな日があるなんて、想像に容易いけれど、想像すらしていなかった。
みんながいい年齢なのでそれぞれが自分の人生に責任を持っている。転職をするというのは人それぞれ受け取り方も異なり、応援する人もいれば、驚愕する人もいる。ともあれ、本人がその意思に対して前向きに後悔なく捉えていればいいなと思う。どんな結果であれ、後戻りはできないけれどそれまでの軌跡は無駄にはならない。無駄にならないような選択をしていくべきとも言える。近しい業界・業種を選ぶとか、やることは同じでも別業界に行くとか。
もう一つ、年収に対する捉え方が私とはかけ離れていることに違和感があった。当たり前だが平均値から飛び抜けた数字は一般的には異常値なのだ。実際、年収を決めるのは業界と会社に大きく依存している。IT産業でエンジニアとして働けている私は、幸運であるとともにたまたまなのだ。そのことに感謝しなければいけない。
温泉の話をしたかったはずが、しみったれた説教話になってしまった。宿泊先のホテルには展望台風呂や、サウナ付き温泉、露天風呂と多様に楽しむことができ、温泉もph値が高いようでヌルヌルして大変心地よかった。食事も一つのテーブルを皆で囲い、腹がはち切れるほど美味しくいただくことができた。こんな贅沢な時間を過ごすことができて幸せだし、こうやって集まれることに感謝の念が止まらない。こんな1日をまた過ごせるように、今年一年頑張ろうと改めて思えた。家族、それがとても大きく難解なテーマなのは一目瞭然だが、そろそろ自分も考慮していきたい。