最悪なユーザー体験

やまなか
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所用で電子チケットアプリをインストールしました。月末にあるコンサートに行くには必須なようでメールで案内が来たのでその手順を進めていたわけです。

アプリを開いた瞬間からガワネイティブの香りがプンプンする嫌な予感はしていたのですが、これが見た目以上に酷いパフォーマンスでした。登録手順の第一段階である、電話番号認証ができないのです。SMSもありみたいなのですが、こちらからメッセージを送らねばならず、それも送信失敗に終わります。代替案として、電話をかけて、音声案内に従い4桁の番号をダイアルに入力するのですが、その番号を入力したとて認証されないのです。Twitterで検索する限り楽天モバイルを利用しているのがどうやら相性最悪のようで、各所にとんちんかんな解決法が流布されておりました。「充電しながら認証される」「Wifiは切っておく」など、眉唾的なアドバイスが横行しています。これはITリテラシーとかではなく、最近でも「祖母が就寝するとDBインサートができなくなる」に似たような可能性が微レ存なため、疑いつつも実行するわけです。かと言ってそれが成功するわけでもなく、最もタチが悪い点は、番号が050の国際電話料金になるという点です。従来のSMS方式を取り入れていれば1分ほどでスマートになんの障害もなく突破できたであろう認証で小一時間悩んでなんの進捗も生み出せなかったのです。一旦諦めることにしました。

デファクトスタンダードでない技術を利用することで見えない不具合が生じること。質の低いUXを提供することで提供企業への信頼が損なわれること。そんな会社と提携している企業にも期待をしかくなること。また、このようなシステムが横行している音楽業界の衰退も危惧しています。実害を受けるのはユーザーであり、楽しみにしているイベントやコンサートへ参加できないかのような錯覚を受けますし、そのために費やす時間は少なければ少ない方がいいはずです。IT化しているとはいえ満足のいく体験をした覚えが少なく、あまりにも杜撰な印象を受けています。大手企業が幅を利かせ、スタートアップが手を出しにくいのが現状なのでしょう。ともあれ、ひとつのユーザー体験からアプリの質や会社の態勢にまで様々な勘ぐりを入れてしまえます。バグフリーな完璧なアプリというものはないにしろ、アプリ屋の一人として気を引き締めていこうと、褌を締めてかかる心持ちです。