23〜7歳頃。ダブルワークで、昼間の仕事に加えて21-24時くらいでバイトしてた某ファストフード店のマネージャー。立場はマネージャーだけど、5つ歳下の学生アルバイトで、初めて会ったときはまだ高校生だった。わたしは高校時代は勉強だけの生活で、バイトを始めたのは大学2年のときなので、高1からバイトしながら勉強も両立して国立大学受験を目指すその子のことをちょっと尊敬していた。職場ではテキパキと動き、指示は的確、明るくて話しやすく、わりと人気ものだった。1年浪人したけど無事に志望校に進学し、入ったサークルで気になる子ができた、なんて話も仕事の合間にするような仲だった。
その子は大学近くに引っ越して新しく別のバイトを始め、顔を合わせなくなってしばらく経った頃、いきなり「変なお願いで本当にすみませんが、セックスのやり方を教えてほしい」とメールがきた。からかったりふざけたりでこんなことを言う人じゃないのは分かってたので、何かあったのか心配して聞いたところ、「まだ経験がなく、(たびとこ)さんなら大人だし、優しくて綺麗な人だから、お願いできる人が他にいなくて」ということだった。焦る気持ちがあるかもしれないけど、初めては本当に好きな人としたほうが後悔しないと思う、あとこれをわたしに言うにはすごく勇気が要っただろうけど、わたしになら言えると思ってくれたことは嬉しい、と丁重にお断りした。
その子がハタチになった成人式の日の深夜、話したいことがある、と急にわたしのアパートまで来た。部屋には入れられないよ、と自販機でホットミルクティーを2本買い、寒空の下で2時間ほど話をした。わたしのことを好きだと言ってくれたけれど、前に大学で気になる人がいるって言ってたでしょ、その子はどうしたの?わたしは5つも年上だし、もうちょっと考えなよ、とお断りした。
さらにしばらくして、話がしたい、とまた連絡がきた。今思えばその頃、おそらく前の投稿に書いた、社会的には不健全な上司との関係に悩んでたせいもあって(上司Aとする)、心身の調子がけっこう悪化して精神的にも不安定になっていたんだと思う。彼に救ってほしかったのかもしれない。それで部屋に上げてしまったのが運の尽き。でもそのときは、はっきり好きだとは言われなかった。その後も、彼の下宿の部屋に呼ばれることはあったけど、外でデートすることはなく、大学の友だちにもわたしのことは隠したいような感じだった。それでも、わたしが何かの役に立ってるんなら何でもいいか、と思っていた。いつの間にか会わなくなったけど、なぜだったのか覚えていない。わたしが何度か会いに行くのを断って、そのまま自然消滅だったのかもしれない。
でも不思議なもので、この彼との関係はここでプツリと切れたわけではなかった。十数年後、意外なかたちで友情が復活するのだけど、これはまた別の投稿にしようかな
さて、28〜31歳頃。心身の不調で転職し、個人経営の塾(大手のフランチャイズ)で働き始めた頃。前述の上司Aは遠方の単身赴任になり、会う頻度は減っていた。
採用の面接官だった上司(Bとする)が、かなりメンクイのわたしが見てもわりとイケメンだった。けど左手薬指に指輪がある。なんだ、ちょっとがっかり。彼のわたしに対する第一印象は、とても頭の良い人(勉強ができるというより回転が速いの意味)、だったらしい。たちまち気に入られたようで、仕事上の連絡以外にも頻繁にメールでも対面でも話すし、夕方の塾開校前のランチにほぼ毎日誘われるような仲になった。明らかにわたしのこと好きでしょ。でも奥さんいるからな、とこちらからは自制していた。
夏期講習の打ち上げで学生バイト先生たちも一緒にみんなでワイワイしたあと、二人でバーに寄った。そこそこ飲んで理性が飛んでたんだと思う。彼が、好きな人はいないのか、とわたしに問う。それ聞く?わたしに?この状況で???「(たびとこ)さんに好かれるような人は、幸せだよな…」とつぶやく横顔に、もうどうなっても知らないぞ、せっかく今まで我慢してたのに!と突然キスしてしまった。あーあ。わたしが悪いです。
このあと、いろいろあって鬱がどん底にまで悪化して実家に戻ることになったのだけど、とりあえずここまで。まだつづく