さて、上司Bですが、東京生まれ東京育ちのシティーボーイ笑で、もともと大企業で設計やってて30代で年収1000万超えてたのを、脱サラして塾経営を始めたばかり、という人でした。教育に興味があったわけではなく、軌道にのったらすぐ人に任せて、自分は他にもいろいろな経営を手がけようとしてたらしい。今思えばこの考えがもうすでに甘いというか、現実の厳しさをわかってないよね。
わたしから見れば案の定ですが、経営はなかなか軌道にのらず手持ち資金が心もとなくなり、上司Bは病み始めた。両親はすでになく、奥さんは脱サラに反対はしないまでも賛成じゃなかったそうで(そりゃそうだよ)、相談できないと。あとわたし(前職が科学館のお姉さん)に影響されて子どもに教えるのが大好きになっちゃったこともあり、だんだんわたしへの依存度が上がっていく。わたしはわたしで、心身の調子は徐々に悪化してたんだけど、惚れた弱みで、この人を支えなきゃと思って無理をしてさらに悪化する。悪循環の共依存みたいな状態。
ベッドから起きあがれない日が増えていく。土曜は欠勤させてもらって、日と月も合わせて3日寝てれば、火曜にはなんとか動けるかな…みたいな。子どもたちの前に出さえすればスイッチが入って、わりと元気に仕事できてたので。今思えばそんなのどう考えても普通じゃない、すでにかなり鬱が重くなってたんだけど、当時はそんな自覚はなく、ただただなんとかがんばろうとしていた。
あるとき、きっかけはよくわからないけど、これはもう限界だ、しばらく仕事を休んで実家で静養させてもらおう…と思った。病んでる上司Bを一人にして見捨てるみたいになっちゃうのがつらいけど、それ以上にわたしがもう無理。ということでとりあえず1か月くらいの予定で実家に帰省。そしたら張りつめていた糸が切れたのでしょう、そこから1年半ほど、ほぼ寝たきりになりました。仕事は辞めさせてもらい、分譲の自宅マンションも手離し、手もとに残ったのはネコチャンとボロボロの心身だけ。あとそうだ、そういえばわたし、祖父の遺産かなんかで100万くらい臨時収入があったのを半分ほど貸してて、もうあげるつもりで渡したから全然いいんだけど、何回か数万円振り込まれてたことあったけど、明らかに全部は返ってきてないね。(笑)
上司Bとも、物理的に距離が離れたことによる自然消滅って感じかな。実家に戻ってまだ数か月の頃は、早く元気になってこっちに戻ってきてほしい、会いたい、一緒に仕事がしたい、みたいな連絡が頻繁に来ていたけど、わたしがなかなか返事もできなくなっていて、復帰のめどが立たなくて辞めることにしてから、少しずつ連絡が減っていった。で、上司Bはどうしてるのかといえば、わたしがいなくても今も何とかやってるっぽいので、何だったんだという感じ。苦笑 離れて良かったと思う。
32歳〜。実家で寝たきりのわたしに、上司Aからの連絡が再開。少し外出できるようになってきた頃には、出張のついでに近くまで会いにきてくれたりして、いろいろ気にかけてくれた。一人じゃないんだ、まだわたしには価値があるんだと思えた。社会的には不健全ながらも、わたしには心の支えになったし、それを踏み台にして、だんだんと元気を取り戻すことができた。回復が早かったのは、上司Aがいてくれたおかげだと思っている。
ただ、女として見られていることへの違和感が徐々につのっていく。そうだよ、もともとわたしは男女の関係を求めてなんかいなかったのに。志を同じくした、性別を超えた仲間だと思っていたのに。さてつづきは次回以降へ