お腹の奥がむずむずするようなエピソード集、2

tabitocco
·

・大学周りでの移動は基本、自転車二人乗りだった。大通り沿いを走っていると、通りかかったパトカーから拡声器で「そこの二人乗りっ、おりなさい」とよく叱られたものです。20年前は今ほどルールが厳しくなかったから、多少叱られても、みんな普通に二人乗りしてたんだよね。それに比べて今の学生さんたちはみんな、本当にマジメでクリーンな良い子たちだよ。未成年飲酒も絶対しないし。ただ、正しい優等生なんだけども、クセがないぶん、面白みも減った気がするけどね。どっちがいいんだかわからなくなるときがあるよね。

・自転車二人乗りといえば、ちょうどゆずの♪夏色が流行ってた頃で、下り坂にさしかかったときに思い出して「この長い長い下り坂を〜♪君を自転車のうしろに乗せて〜♪」ってふたりで歌ってキャッキャしていたなあ

・親には女子グループのお泊まり会だとウソをついて(でもそんなの絶対バレバレだっただろうけど)、けっこうな頻度で彼のアパートに泊まりに行っていた。映画のレイトショーを見にいったり、あと歩いてすぐの海まで、深夜に流星群を見に行ったことも。11月の下旬でとても寒くて、2人でひとつの長いマフラーを巻いて、ポケットの中で手をつないで砂浜まで歩いた。夜の真っ黒い海に波の音が響いてなんだか恐ろしくて、でも星空はものすごく綺麗で、期待したほど流れ星は見えなかったけど、凍えて帰る道すがら、自販機で買って一緒に飲んだホットココアが温かくてとてもおいしかった。

・わたしが車の免許をとって、初めて彼を家に連れてきたときの家族の反応:顔が濃い、無口でもしゃべりすぎでもなく人あたりが良い、あまり背が高くなくてかわいい、顔が濃い、まつ毛が長い、悪い子ではないのがわかる、イタリア人顔、顔が濃い

・つきあっていた4年半ほどの間に、日帰りでも泊まりでも、いろんな場所に出かけた。奥飛騨の温泉、海遊館と天保山、名古屋港水族館、東山動物園、一夏で花火大会たくさんチャレンジ(大阪PL、岡崎、桑名、四日市、熊野)、北海道、ディズニーシー、車で紀伊半島一周(串本海中公園、アドベンチャーワールド)、福井(永平寺、県立恐竜博物館、東尋坊)などなど。PLの花火大会はたぶん日本一のむちゃくちゃすごい規模で、開催日は曜日が関係なく、日付が決まっている。その年はたしか土曜だったのかな。行くことを思いついた頃には、周辺の宿はどこも満室でとれず、終電に間に合うように花火の途中で帰るしかなかった。大学4年で最後の夏休みだったので、「次に土曜日にあたるのは◯年後だね、その頃には社会人だし、泊まりで来て最後まで見ようね」なんてしゃべっていたなあ。

・彼が風邪をこじらせ、近くのクリニックでもらった薬を飲んでも効かずに40℃近い熱が3日ほど続いて寝込んだとき、昼間に差入れを持って看病に行って、夕方バイトに行って、夜に自宅に帰ってきたら、冷えピタをおでこに貼った彼が家族に混じってごはんを食べながら「おかえり〜」と迎えてくれたことがある笑。彼がひどい風邪なので看病に行くことは姉に話してあったのだけど、そこから話が母に行き、そんなもんウチに連れてきたほうが話がはやい!と、その日は仕事が休みだった姉が迎えに行って連れてきたんだそうな。

翌日、まだ熱が下がらないのでわたしが子どもの頃からかかっていた大きめの総合病院に行って診てもらうと、もらった薬が合ってないし白血球が減っちゃってるし、放置してたらちょっと危なかったと言われた。母の経験と勘ってすごいな。数日ウチで療養して、元気になって帰っていきました。そのあとも、ひどい風邪を引くと「また白血球が白旗あげるんちゃうか!」と母が心配し、ウチに連行される流れが2〜3回ありました。

・立山黒部アルペンルートに行くのとあわせて、彼の実家に遊びに行ったこともある。本当に、風邪のときにもお世話していただいて、いつもありがとうございます、とお母さんにはお礼を言われまくってしまい恐縮。ブルース・ウィリス似のお父さんは建具や家具の職人さんで、玄関も家もめちゃくちゃ立派で広かった。わたしの家もそこそこ広いほうではあったのだけど、その倍はあって、さすが持ち家率全国1位の県だと思った。

お父さんが仕事を休んで家族で出かけることなんか、彼が子どもの頃でもほとんど無かったらしいのに、わたしが訪ねて行くと聞いて、お母さん、お兄さんとその奥さんも一緒にみんなで五箇山の合掌造り集落を見に行く計画を立ててくれたのはお父さんだったそう。かわいい。

往路、家から出発してまだ30分ほどのぜんぜん五箇山じゃない田んぼ道で「目的地周辺です」ってナビが終わっちゃって、「ええ〜?どれが合掌造り?あれか?」とお父さんが指さす先には、確かに合掌造りみたいな屋根の、小さな犬小屋?みたいなもの笑。「さすがにちがうやろ、父さんどこの電話番号入れたんや笑」とお兄さんがナビを操作し、電話番号がまちがってたことが発覚。かなりかわいい

お腹がむずむずというよりほっこりする感じの話になりましたね。こんなに仲良しでも、結婚まではいかなかったので、本当にタイミングだと思う。すでにお互いかなり家族同然だったので、別れを切り出すときは、彼もかなり悩んだだろうと思う。

次は彼と別れたとき&そのあとの話を書こうかな。

@tabitocco
書きたいことがある&時間があるときに、好きなことを書きます