最近どうも気に入ってる言葉があって「情景」というもの。
自分が何を好きか、何を求めているのかを端的に言い表してくれてる気がした。風景が好きというと何か違う。それは美しい景色、絶景を想像する。そうではなくて、むしろ何気ない風景こそいい。そこに心情を乗せるから良い。そんな感じ。
ひとつの勘違いに「田舎」があった。僕は田舎が好きだ。さて、これはどちらか。言うなればこれは風景だった。もちろんそれも好きだ。だが僕にとっての「情景」はむしろ町にある事が分かった。それは「団地」であったり「ニュータウン」に落ちていることが多い。おそらくは自分の子供の頃の真の原風景。団地やニュータウンに住んでたという訳でも無いのだが、田舎を懐かしいと思うファンタジーとはまるで違う。
東京に住んでいた頃、適当に電車に乗っては適当に下車する事をよくやった。23区を中心に鉄道が張り巡らされてるので飽きがない。そして何があるかも分からない私鉄直通の終点駅は得てして「ニュータウン」だったりする。あの頃は言い表すことが出来なかった懐かしさが今になって明瞭に甦る。また何気ない旅をしたいと思うのは、暖かくなってきた証拠かもしれない。