雪が積もった、そのまつ毛

話す相手。が必要、とても重要、だいじ。

というのはよくわかった。

人と話すと、ぐぐっとすすむ。

好きだよ、その感じ。

でも「相手」を見つけることが一番の億劫。

おっくう。そんな気がしませんか?

 

---

かまいたちの夜。

たぶん小学4年生ごろ。

楽しかったスーパーファミコン。

話す、を選択させてくれる。それによって物語が変わる。

 

---

雪が降ればいいのに。

手のひらの機械の隙間に雪が積もればいいのにな。

いろいろと故障してくれたら、

話す、が行動の選択肢の一つじゃなく、

必然になってくれるかしら。

 

---

雪ですぐにぐしょぐしょになった息子の靴。

びちゃびちゃで冷たくて、にこにこ、放る雪。

やっと出会えた、わたしの足元の、

撥水機能のあるシティとマウンテン両用の黒い登山靴と、

分厚く暖かいけど締め付けが無い杢グレーの靴下。

万全に準備したあなたの父親のわたしは、

なんだか侘しい。

絶対に足が濡れないようにと進化してきたわたしは、

侘しい。まつ毛に雪を積らせるあなたとは違うみたい。寂しいよ。

とんできた雪の玉が足首に当たった。

つめたいな。と同時にはびこる息子の笑い声。

 

---

いつも話しかけてくれてありがとう。

--- 

 

@tadayoi_sanbun
過去の感情を掘り起こしてコネコネしてから、 滲んだ絵と滲んだ散文にしています。