うちの弟にはもうすぐ3歳になる娘が一人いて、さらにもうじきもう一人娘が産まれる。先日、弟と話していたらこんなことを言っていて興味深かった。
「もしも、20歳のときにポンと2000万円渡されて自由に使っていいよって言われたら、人生変わると思わない?それを、自分の子供達にできればやってあげたいと思うんだよね。ほら、みんな年取った頃に余ったお金と時間で海外旅行とか世界一周とか行くけど、海外旅行なんて体力ある若い頃に行きたいじゃん。」
なるほど、それは面白い。それだけのお金があったら、いわゆるサバティカル休暇のようなものが、若くてまっさらなモラトリアム時代に経験できるということになる。それ前提だったら、大学だって高校出てすぐに急いで行かなくても、お金使って色々経験したあとに本当に自分のやりたいことや学びたいことを選んだ上で、より良い進路選択できるかもしれないし、色んな可能性が広がりそうな気がする。人生100年時代、別に生き急いで19歳で大学入ったり就職したりする必要だって別にない気がする。
弟曰く「姉だってさ、20代の頃はブラックな環境でずっと働いてて大変だったわけじゃん。お金があったら、あんなことしなくてよかったよね。」
うん、まあ確かに。でも自分はお金ない中で美大まで出してもらって、割と向いてる職業につけて、確かに最初の会社はまぁまぁブラックなデザイン事務所で、超薄給なのに徹夜続きみたいな状態で働いていたけど、当時の同僚はみんないい人たちで未だに良い関係を続けているし、そこで学んだことは今でもとても活きているので、まあトータルとして良かったかなあとも思う。まあでも、世界一周は確かに若い頃にしたかったねw
若い頃の自分はまあまあ、お金がないながらもやりたいことができたと思うけど、むしろ弟の方が若い頃は結構ハードモードであまり自分の人生を歩めていなかったと思う。
弟の人生というかキャリアはとても独特で、自分が知っている人の中でもかなり特殊だと思う。まず今は割といい会社のいいポジションで働いてる会社員だと思うのだが中卒なのだ。劣等生で大人しくどちらかというといじめられっ子で気の優しい子だった弟が、中2で突然グレて非行に走ってしまい、定時制の高校に入るも続かず、そのままバイトに明け暮れるが、バイト先で出会った上司がとてもいい人だったようで、そこで道が更生の開けたようだ。
その後、バイク屋を経営していた父がバイクの事故で大怪我を負って継続が困難になり、器用でメカに強くバイクの修理もできてしまう弟が、父の後を継いでバイク屋をしばらく続けてくれていた。しかし我が家の人間特有の、飽きっぽさとか定時に仕事に来れなさとか(なんか全員そう……今はわしも弟も多少改善されて少なくとも時間は守れるようになってきたが )が災いして、バイク屋はその後1年くらいで廃業せざるを得なかった記憶がある。
その後、なんやかんや紆余曲折あって、20代は株の仕手に明け暮れたり変なビジネスやったりしてフラフラしていた弟は、今現在は、割とまともな感じのところでちゃんと仕事を続けてキャリアを積んでいる。社長の右腕みたいな感じで、会社の経営戦略を練ったり上場させたり企業買収とかをやるのが専門分野みたいで、会社の決算書などを見て企業評価をしたりするのも得意みたい。他にも電工2種の資格も持ってるので、会社のエアコンとかを修理しまくってたり、またプログラミングも若い頃から趣味でやっていたので、社内SEみたいなことも兼務している(基本・応用情報、ネスペ、デスペ、セキスペあたりも全部持ってるらしい……え、すげえ)、なんというかスーパー便利屋さんである。わしもよく、フリーランス時代は弟に青色申告やってもらってた。
あと、弟は法務関係にも強くて、本人訴訟も20件以上やったらしい。内容証明とかよく送ってる。ヤバい。普通の人はそんなに送ることないよ、それ。一見、そこまで揉め事が好きそうな好戦的な性格にも見えないし、表面上は割と穏やかで理性的な奴なのだが、なんか法律ハックみたいなことが多分すごい好きなんだろう。弟曰く、法律とプログラミングは本質的には結構似ているという。両方ともプロトコルをどう解釈して現実に適用していくかだから……とのことで、まあ言ってることはわからんでもない気がするが、本当にやるんかいw みたいな感じで面白い。
弟が20代の頃「俺、弁護士になりたい」と言ってたことがあり、普通に向いてそうだなあと思ったし、自分も当時はお金はないながらも普通に仕事はしてたんで、応援するし自分ができることは金銭的にも支援するとは言っていた。そもそも弟には自分の窮地に助けてもらいまくった恩しかないので、どこかで返したかった。結局、弁護士にはならなかったが。
話がだいぶそれてしまった。変人の弟の話は基本うさんくさい面白エピソードしかないので、そういう話が無限に出てきてしまう。とにかく、彼みたいな変な特殊能力を持っている奴が、若い頃に自由に使えるお金を渡されてたら、結構おもろいことになっていたんじゃないかなあと思うのだった。
自分曰く「わしは若い頃、割とやりたいことやらせてもらったけど、君こそ若い頃はお金ないゆえにあまり自分の人生を歩めていなかったわけだから、君こそ若い頃お金があったらだいぶ変わってたよね?」
弟曰く「いやあ……それはそれで、多分俺、ロクなことに使ってなかったよw」
確かに、ロクなことに使ってなさそうな気もするw 仕手株とか先物とかFXとか、今なら怪しい仮想通貨にすぐ消えそうww 大金渡しちゃだめな人かもw でも、若い頃にロクでもないことにお金使ったというのも、それはそれで経験になると思うのだよね。どうせ年取ってから身に余るお金持ってても、どのみち多くの人は碌なことに使えないと思うんだよな。世界一周とかして楽しめるならまだいいけど、老いと孤独に耐えきれず怪しげな宗教に貢いじゃったり、変な健康食品買い込んじゃったりしそう。それならそれ、元気で健康で判断力も未来もある若い頃にやっといた方が良くないか? 自分がどんなお金の使い方をするかを経験しておくことで、自分がどんな人間なのか、何をしたいのか、ある程度わかった上で、その後の人生を歩めそうな気もする。お金という概念や資産運用のリテラシーをつける良い機会にもなるかもしれない。あとやっぱり、若い人がお金を持つとちゃんと経済が回って世の中が活性化すると思うんだよな。
20歳で自由に使える2000万円を手にする。どうなのかなあ、面白いと思うんだけど、ダメかなあ?なんか港区女子みたいなことになっちゃうのかなあ? あと、いわゆる超実家が太い人なんかは、元々そういう感じなのかもしれないが。
なんかもし、国内全ての20歳がその権利を与えられて、みんなが20歳で自由な2000万円を手にすることができたら、なんかよりすごい才能やおもしろ人生歩む人々が出てくるような気がするんだよな。(すごい落ちぶれ方する人もきっと出てくるんだろうけど。)にしても、面白いんじゃないかなあと思った。この少子化時代の世代間格差も多少是正されるだろう。どうだろう、いっちょ国で税金使ってやってみてくれないかな。無理かな。チームみらいとか立案してみてくれんか。とりあえず自分の眼の前の仕事がひと段落したら、もうちょっとちゃんとアイデア整理して、あそこのリポジトリにそういう Issue 立ててみるかw まあ、与太話でした。