🐶おもちと光岡ビュートのマダム🚘

taea
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今日は昼過ぎにおもちの散歩に行った。

おもち、心臓病があるので色々と生活に制限があり、あまり長時間・長距離の散歩はできない。でも元気な盛りではあるのでストレスはためないように、1回20分程度、1日1〜2回散歩に行くようにしている。

おもちは散歩中に横道にそれるのが大好きで、狭い路地や空き地を見つけるといちいち入りたがる。うちの近所での散歩にもだいぶ慣れてきてまっすぐ歩けるようになってきたが、やはり空き地を見つけると興味津々で侵入したがる。土っぽさとかが好きなのかもしれない。放っておくと小石を拾って口に入れたりするので油断ならない。

うちの家がある区画はとても縦に長くて、1区画を一周するだけで小型犬にとっては割と十分な散歩になる。自宅の前の通りを北上してから、1区画隣のやはり縦に長い通りを南下して一周してくる。1区画隣の通りは高級でおしゃれな住宅が多くて、上品な人たちが行き交っているので、「上品通り」と我が家では呼ばれている。上品通りは車一台でいっぱいになる一方通行の狭い道路だ。

今日も上品通りを南下中に、これから家を建てるっぽい空き地があって、いつものようにおもちが気になって侵入しようとするのを止めていたところ、上品通りを、象牙色のクラシカルな雰囲気の車が迫ってきた。

あっ、あれは……光岡自動車のアイツじゃないか……!わしはリアルで初めて見た!

おもちとわしは一旦空き地に入って、上品通りを迫りくる光岡ビュートに道を譲る。光岡ビュートに乗っていたのはこれまた上品なマダムで、「どうも」と会釈してくれたのち、車の窓を開けて我々に話しかけてくれた。

「かわいいですね。何歳なの?」

「ありがとうございます。まだ7ヶ月なんです。」

「アラッそうなの」

と言い、車の中から写真立てを取り出して窓から見せてくれた。写真立てにはヨーキーが2匹写っていた。

「うちもね、いたんだけどもう亡くなっちゃったの。2年前に15歳と、4年前に10歳……」

この時点で光岡ビュートの後ろにはもう1台車が来ていた。追い抜きできるほどの道幅はない。

「そうなんですか。うちも今年15歳で……」と言いかけたところで、後ろから車が迫っていたので、「じゃね」とマダムは光岡ビュートの窓を締めてさっそうと走り去っていった。

犬を連れていると色んな人に話しかけてもらえるのも、また楽しみの一つだ。

それにしても、光岡自動車の車が普通に?売れるようになる時代が来るとは、隔世の感がある。マダム、象牙色の光岡ビュートがとても似合っていた。ビュート、漢字で書くと「美遊人」らしい。美しく遊ぶ人よ。

@taea
🐶おもちと暮らす人間