だ、大好きな漫画がドラマ化されてしまった。しかもNHKのあの枠で。あの枠、今の社会問題を暖かな視線で見守る感じのドラマが多くて、好きな枠である。『東京サラダボウル』や、『恋せぬふたり』もよかった。
漫画『ひとりでしにたい』は本当にいい漫画だ。好きな推しと猫に囲まれて自由奔放に生きる学芸員の30代独身女性主人公が、独身の叔母の孤独死をきっかけに、いかに生き、いかに死ぬべきか考えはじめジタバタ奔走する。ギャグセンスもよく、ヒップホップにハマるお母さんや、ナスダックのメンヘラっぷりなどそれぞれキャラが立っており、人生の芯に迫った重いテーマなのにめちゃくちゃ笑いながら読めてしまう。
まず、作者のカレー沢薫さんが好き。本作の主人公の鳴海と同じく、自分や人間への向き合い方がド正直で真っ直ぐで、変にキラキラしたもので誤魔化したりカッコつけたりしないところが魅力的だ。認知が歪んでても歪んでるまま、ホラこんなに歪んでるぜえ!って見せてくれるの、なかなかできることではない。普通はもっとカッコつけたり誤魔化したりして、自分を悪者にしたくない、良く見せたい気持ちになる気がする。その体当たりで現実を直視できる聡明さが、たくさんの人を感情移入させ、自分の人生に当てはめて考えさせられるのであろう。
さて、ドラマだが、まず思うのは綾瀬はるかさんでは美しすぎないすか。これは干物女の時にも思った。で、実際見ると確かに美しすぎるのだが、さすがの演技力でコメディエンヌとしての本領を発揮しており、観ているうちに鳴海は綾瀬はるかでいいのではという気になってしまった。綾瀬はるかはやはり最強だ。
意外と思ったよりも原作に忠実だった。叔母さんの遺品エピソードはNHKだから流石に避けるんじゃないかと思っていたが、普通に出してきて偉かった。あと、綾瀬はるかの同僚役の女の人もいい味出してたな。ナスダックは漫画よりいっそう気持ち悪くて嫌な奴感が出ており、これも良かった。
作中に出てくる猫アートもちょいちょい気になる。綾瀬はるかが持ってたパンフレットに載ってた、イトーヨーカドーみたいな配色の猫アートも気になった。
とりあえず、母娘ラップバトル回が楽しみでしょうがない。
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若い頃「自由」だと思っていたものは、歳をとると孤独と不安に変わっていく。そして、孤独や不安は人間をバカにする。
本当にそうなんだよなあ。そして、それらに飲まれず、自分らしさや尊厳を保ったまま、いい感じに死んでいくにはどうすると良いのだろうか。自身も人生の後半を迎え、祖母を見送ったり、犬を見送ったり、時間をかけて死を見つめることが多かったこの数年で、特に考えるようになった。
本質的には、あまり結婚や子供の有無なども関係ないのかもしれない。結局死ぬ時は一人だし、誰といたところで、孤独や不安を癒せるのは究極的には自分だけなのだから。
ところで"ひとりでしにたい"で検索したりすると、必ずいのちの相談ダイヤルが出てしまうので、そのたび、すまん、わしのはそういうんじゃないんだ…とちょっと申し訳ない気持ちになったりしている。
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カレー沢薫さんは『なおりはしないが、ましになる』も好き。
これは、ADHDを抱える著者ご本人が、自分の特性と向き合い七転八倒色々試しながら、色んな気づきを得ていくエッセイ漫画。わしもADHDニストとして服薬していた時期もあり、まあその傾向はあるんだが、いろいろ改善のために試行錯誤してると「なおりはしないがマシになる」というのは、マジな実感としてある。多分加齢も多少関係してると思う。発達障害は発達が人より遅いだけで、発達しないわけではない的なことが書いてあったかもしれない(別の本だったかもしれない)が、そういうことかもしれない。そういうことにしておきたい。