先週松江に行った時に温泉大浴場付きのホテルに泊まった。
温泉は良いが、スマホを持って入れればもっと良い。もし、スマホを持って入れるのなら、家の風呂みたいにもっと長くダラダラゆっくり浸かっていられると思う。そうだ、わしは中毒者だ。
早くスマホも目にインプラントされないかななどと思いながら温泉に浸かっていたが、カメラやらネットやらが目にインプラントされたら、誰にも気づかれずに人の入浴シーンを盗撮し放題になるんだよな。
誰もが誰にも気づかれずに、全てのものを記録し、公開できるということが当たり前になった時、温泉やら公衆浴場やらはどういう存在になっていくんだろう。
全裸で入る公衆浴場自体がNGになって、男女共用の温泉みたいに必ず水着を着ないと人前に出られない感じになるのか。
もしくはインプラントのデバイスが必ずオフになっていることを何らかの手段で証明してから、公衆浴場に入るという決まりになったりするかもしれない。
いやそもそも、誰もがいつどこで何を記録し共有しているのか取り締まりようもないなら、それ前提で生きていけるようにマインドや倫理観が変わっていく方が楽なのかもしれない。
入浴シーンを勝手に記録し共有されることなども当たり前になるなら、入浴シーンなど有り難がられもしないし、恥ずかしくもなくなる……そんなふうに徐々にプライバシーの感覚が変わっていく可能性もなくはない、気がする。
つまりだな、将来的には、人前で全裸でいることの羞恥心自体が人類から廃れていく可能性がある。そうして我々は、アダムとイブ以前に回帰していくのかもしれない。
そんな与太話を雑に考えつつ、松江の温泉に浸かってたら、スマホ無しでも割と長湯ができた。