クオリアのメモ

tah
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薄暗くなっていく空を背に光る高速道路の情報板や、窓から車内に入る冷えた空気に懐かしさを感じる。

これを絵にしても、きっと私が感じたこの気持ちを誰かにそのまま伝えるのは難しいだろうな。でも、未来の私はその絵を見てきっと全てをちゃんと思い出せるだろうから、描くことに価値はあるんだろうな。

渋滞に巻き込まれてゆっくり移動するなか、こんなことをぼんやり思うなどしました。こういう気持ちに浸れるので遠出して帰ってくるときのドライブがめちゃくちゃ好きです。あと夜の空気感って昼と違うからワクワクする〜! 夜は滅多に外に出ない民ゆえ……

 

私は、今までは脳の中にある架空のものをさも現実にあるかのように描きたいという気持ちで絵を描くことが多かったです。これも未来の自分が、過去に創造したものを絵を見ればすぐ思い出せるように……というメモではあるけど、現実にあるものをそのまま現実にあったものとして描くのもまた楽しいだろうな〜。

ジャンルで言うと絵日記みたいな感じなのかも。

 

誰かに何かをわかって欲しいだとか、自分のことを知って欲しいだとか表現したいだとか、そういうことを目的にして絵を描いたことがたぶん今まで一度もない人生を送っている気がします。

ずっと、ただこういう線を引きたいからとか、こういう色で塗ってみたいとか、その時々で見た素敵なものに心を動かされて自分も「自分が後から見た時に心が動くようなもの」を作ってみたいとか、自分のためのお絵描きばっかり! ワハハ。

誰かのために描いているような絵ですら、喜んでもらう場面を想像しながら描くことそのものが目的だったり、喜んでいるのを見て自分が安堵することが目的だったりしています。

 

ここまで書いて思いましたが、だから私は子どもの頃から将来何になるか聞かれるたびに「漫画家にはならない! 絵や好きなことは仕事にしない!」って言ってたのかも? そもそも仕事を人生の脇役だと思っているため、「お絵描き」には主役である趣味の座に居続けて欲しかったのかも。

※なんで「漫画家には〜」って言っていたかというと、当時全く漫画を描いていなかったのに「漫画家になるの?」って聞かれまくっていたからってだけです! 嫌いとかじゃ全然ないです。ただただあの頃の私が、絵を描く人間はみんな漫画を描くと思いこんでいる謎の人類達に囲まれていただけで。これ文章にすると不思議シチュすぎるな。

脱線しちゃった。

いつものように自分の頭の中のものをメモするのもいいけど、たまには自分の周りのものも未来の自分にメモとして残してあげるのもいいなと思った、そんな年末です。

ちなみに、「しずかなインターネットでこれ描くならついでに情報板の絵を描いてのせちゃおうかな〜!!」と思いはしたんですが車酔いとMP切れでそんな余裕ありませんでした。未来の私、あの時の感情とか感覚とか諸々を思い出したかったら自分で高速道路まで行ってくれ〜! 文字とか写真だけじゃ思い出せないことってたくさんあると思う。

 

おわり