最近見たり読んだり聞いたりの備忘録。
映画
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(マーティン・スコセッシ監督、2023年)
首(北野武監督、2023年)
枯れ葉(アキ・カウリスマキ監督、2023年)
ほつれる(加藤拓也監督、2023年)
ソフト/クワイエット(ベス・デ・アラウージョ監督、2022年)
正欲(岸善幸監督、2023年)
TAR/ター(トッド・フィールド監督、2022年)
本
阿頼耶識の発見 よくわかる唯識入門(横山紘一 著、幻冬舎新書)
仏教の大意(鈴木大拙 著、角川ソフィア文庫)
海辺の仙人(絲山秋子 著、新潮文庫)
人はなぜ物を欲しがるのか 私たちを支配する「所有」という概念(ブルース・フッド 著 小浜杳 訳、白揚社)
音楽
CHAI 解散コンサート@東京・EX THEATER ROPPONGI(2024年3月12日YouTube生配信)
ドラマ
ブラッシュアップライフ(2023年、日本テレビ、脚本 バカリズム 主演 安藤サクラ)
メモ書き
1と2は109シネマズ二子玉川で鑑賞。両作品とも80歳前後の巨匠ながら、変わらずに尖っていて舌を巻く。「首」は戦国時代版「アウトレイジ」みたいな作品だったら嫌だと思っていたが、見事に予想を裏切られた。
3はキネカ大森で鑑賞。一度行ってみたかった映画館にお友達を誘ってデート。カウリスマキ・ワールド全開の作品だったので少し不安だったが、おもしろかったみたいでよかった。それにしても毎度ながら不思議なテイストだ。
4567は配信で鑑賞。「ほつれる」が意外な発見だった。加藤拓也監督、まだ若いのに夫婦の隠微な関係を見事に描写していて、とてつもない監督に化けるんじゃないかと期待させる手腕を発揮している。
8は最近興味がある「唯識」の入門書。何冊か読んだけどこれがもっとも分かりやすかった。 9はデニーズでよく見かける坊さんからいただいた。かなり難解なので繰り返し読もう。
10は親友がもっとも好きな小説家である絲山秋子の代表作。精神安定剤的な読後感。
11はかなりの労作でおもしろかった。著者は発達心理学が専門の学者だが、「人はなぜ所有したがるのか」という問いに心理学のみならず、法学、歴史学、社会学、行動経済学、進化生物学、文化人類学、哲学など、幅広い分野で探求する。ややもすれば衒学的な態度になりそうであるが、軽妙ながら真摯な筆致に教養に裏打ちされた説得力を感じた。そしてなにより、小浜杳さんの翻訳がとても読みやすい。思わず彼女の他の訳書、「なぜ世界はそう見えるのか」「Remember記憶の科学」をポチってしまった。
12はおとといの生配信を自転車をこぎながら視聴。CHAIの演奏技術、とくにベースとドラムの安定感とグルーブ感にもっていかれた。最後の曲で思わず涙した。メンバー各自のこれからの活躍が楽しみ。
13は親友が夢中になったというので見始めたら止まらなくなってイッキ見。大傑作!ここ数年見た日本のドラマの中でも群を抜くクオリティの高さ。脚本家バカリズムの天才的な筆致と、コメディアンヌ安藤サクラの卓越した演技力。作中の女友達同士の駄話を永遠に聞いていたい。おすすめです。