フードハブの原点であるカリフォルニアのChez Panisseというレストランがある。昨年の10月にそのレストランの創始者であるアリス・ウォータースさんが出版記念の日本ツアーの流れで神山を訪れてくれました。
その日に合わせて想いのあるメンバーが長年付き合いのある全国の農家が集う『Farmer's Meeting』というイベントを企画し、全国から20名あまりの農家や料理人が集いました。
神山に来たアリスは、フードハブが運営する「神山まるごと高専」の給食を生徒と農家たちと食べ、同時開催されていた学校給食の実践者が集うスクールフードフォーラムでスピーチをし、夜は、農家たちが集うファーマーズ・ミーティングの集いに参加。
後日、公開されたドキュメンタリー映画の中で彼女はこう語っていました。
「今までたくさんの大きなイベントに参加したが、昨夜は特別だった。本当に心から農家を一緒に祝福する集いだった」そして、「私は一番大事なことを知っている。未来のために私たちの土地を大切に耕してくれる人たちを祝福することの大切さ。そして彼らが気候変動を食い止め、この土地と地球の守り神であることを。ファマーズ・ファーストだ」と。
その夜の時間は、私たちにとって特別ではなく日常でした。
日頃付き合いのある地元の料理人たちのもてなし。農家でもある地域のお母さんたちがつくる郷土料理。長年活動をともにする会社のメンバー。そして全国の農家や食の仲間たち。その日常にアリスと友人たちを迎え入れ、私たちがこれまでやってきたことが間違いではなかったとそれぞれが確認し合えたことが一番の収穫だったと思います。
最後のあいさつで共同代表の白桃薫は、アリスとの出会いの日を、みんなにとっての「播種日」だと語りました。これからも未来のために種を蒔きつづけるという私たちの宣言の日でもあったのでしょう。