幸せは、お金で買えない

taishi
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パパの実家は決して裕福だったわけではないです。

今でも覚えていますが、パパが小さい頃に、いわゆるバブルが崩壊。着物の卸売をしていたじいじが勤めていた会社はよくない方へ進み、じいじとばあばの何気ない会話から、子供ながらお金が苦しいということは知っていました。

そこからじいじが退職して、独立して、失敗して。この先どうなるんだろうかと、小学、中学、高校の期間、不安でした。

パパが小さい頃に、福井県に家族4人で旅行に行って泊まった旅館が素敵で、食べたカニが美味しくて。何度かまた行きたいと懇願しても流された理由が、お金がないからだとなんとなく理解して、言わなくなったのを覚えています。

パパは、小学校の頃不安になって、図書館で食べれる草を勉強していたことがあります。当時、もし何かあっても、お腹を満たす方法を模索していたのかもしれませんね。

パパは、野球をやっていて当時そこそこ活躍していましたが、地元の公立高校へ通うことは決めていました。それは、私立の授業料や野球にかかるお金が高いと知っていたから。

パパは、大学を指定校推薦という、高校の授業で評価が高ければいける枠で入っています。それは、受験勉強で塾に通うお金はないと思っていたから、何がなんでも学校だけの勉強で大学にいこうと思っていました。

パパは、指定校推薦で決まったあと、すぐに奨学金手続きに入りました。授業料は、奨学金で支払うと決めていたためです。とにかくどう金銭的な負荷をじいじとばあばから減らすのか、ということを考えていました。

実家が裕福ではないことで、選択が限られたり、やりたいことを言わなかったり、ひもじい気持ちになったことはたくさんあります。その時々で、なんでだろうって思うことも多々ありました。

ただ、決して不幸じゃなかった。振り返ってみれば、幸せだったなって思いますし、生まれ変わっても、じいじとばあばの元に生まれたいと思ったりします。

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幸せとは何か、について語るつもりはないです。

ただ、幸せとは、誰かに決められるものでなく、貧乏だから得られないものでもなく、自分の心が感じるものです。

パパはね、青春を感じられる瞬間が好きです。青春って聞くと、若い頃のこと?と思われますが、青春は時期の話ではないです。

希望を持ち、理想に憧れ、自分のあり方を見つめていく心のありようのことを青春と呼びます。パパは、そういう心のありようが持てている時に、幸せを感じます。

36歳の今も、つらいことも、しんどいことも、たくさんあるのですが、希望をもって何かに挑戦したり、自分や会社のあり方を見つめ直したり、そうやって前を見て走ることができている時は、ふとした瞬間、誰かに、何かに、感謝したくなります。

じいじとばあばはね、どれだけ苦しくても、パパから野球を奪うことはなかったんです。グローブが壊れても、新しいの買って欲しいと言えなくて悩んだことはありました。ただ、目一杯、甲子園目指して走ることはできたし、そのおかげでたくさんのことを学べて、たくさんの宝物を手にすることができました。

指定校推薦を高校の入学と同時に決めて、進路に制限はあったんだけど、希望を持って、とにかく点数を取ることにがむしゃらになりました。気づけば13教科中12教科が5で、学年で一番評定平均が高くなって、とても嬉しかったんです。やればできる、という自信がついたりしましたし、行きたかった大学の枠を得られた時は心が満たされました。

お金がなくても、パパにとってかけがえのない青春をじいじとばあばはくれて、支えてくれて、とても幸せでした。パパにとって、それが真実です。

だから、パパは胸をはって、お金があるから幸せというわけではない。幸せは、お金では買えないと思っています。

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幸せの形は、人それぞれ。

あなたにとって、何が幸せなのかは、たくさんのことを経験して、誰かでなく、あなたの心が決めていくでしょう。そして、幸せとは何か、ということを定義せず、心のままに感じたことを大切にして欲しいと思っています。

パパは正直、青春を感じられるような生き方をしている時が幸せですし、今もそれは変わらず、何かあーでもない、こーでもないと言いながら生きています。もうずっと、変わらない気がしますし、ママと結婚した時も変わりませんでした。

ただ、あなたが生まれた時に、新しい幸せの感情が生まれたんです。いてくれるだけで嬉しい、寝顔を見ているだけで幸せになれる、嫌なことがあっても、あなたのために頑張ろうと思える。

パパが30歳の時、新しい幸せの形をあなたは教えてくれた。幸せは定義せず、心が求めている方に生きようと、改めて思うようになりました。

もし、お金に困っても、幸せでいて欲しいと思っています。もしお金がたくさんあっても、幸せかどうかは、時に振り返って欲しいと思います。

36歳 9ヶ月25日

@taishit
大人になったあなたが、困った時に読んでほしいパパからのアドバイスの記録。