気づいたらプログラミングを始めて10年くらい経っていた。10年前に始めたときには、10年続けるとは思っていなかった。
くらい、と書いているのはいつを始めた時と定義するかは揺れがあるからだ。
1番わかりやすいのは大学3年生のときにC言語の講義を受講した時と考えられる。2014年の秋の講義だったので、3ヶ月くらいはやい。
jQueryとかをわけもわからず書き始めたのは2014年の2月とか3月ごろだったと記憶しているので、その頃を始まりと定義すると既に10年を超えている。
もっと言うと、LaTeXとかが好きでマクロとかをこれまたわけもわからず書いていた。それをプログラミングと定義すると、大学1年生からやっていたので12年くらいになる。この話は余談だ。
10年やってみて思ったことを書く。
まず最初にすごくバカっぽい感想だが、10年同じことをやるには10年かかるということがわかった。
そして、10年というのはものすごく長いという実感がある。
長い期間にわたってひとつのことを一貫してやってきた。熱中する時期や休む時期もあったけれど、やめなかった。このこと自体に感慨がある。
仮にプログラミングじゃなくても同じことを思っただろう。絵を描くことや、写真を撮ること、文書を書くこと、楽器を演奏することなど、どんなことでもきっと10年続けられたら同じ感慨があっただろう。
そして繰り返すが、10年はとても長い。この長い期間続けるためには、純粋な好きという気持ちだけでは難しかったのではないかと思う。
可愛さ余って憎さ百倍という。実際に、僕もプログラミングの力の及ばなさに絶望しかけたりもした。当たり前だが、世界はプログラミングがしやすいようにできていないし、プログラミングで解決できない問題のほうがずっと多い。
しかし、それでも僕はやめなかった。
本当に長く付き合える相手とは適度に欠点も知っているものだ。人間でも、営みでもそれは変わらない。
プログラミングは楽しい。そしてソフトウェア開発も楽しい。
この楽しいには、ラクという意味は含まれていない。僕は毎日、横からみたらプログラミングとは関係ない業務ばかりしているように見えるだろうし、ソフトウェア開発ばかりをしているわけでもない(そして暇そうにも簡単そうにも見えないだろう)。
そして、仮にプログラミングをする仕事をしていたとして、僕はラクそうにはしていない。面倒だとか、難しいとか言いながら仕事をしているだろう。
それでも、楽しいのだ。楽しい人生というのは、大変さの仮面をかぶっている。
プログラミングは楽しいし、好きだ。10年やったけど、今もそう思っている。
10年前と同じように、次の10年も続けるだろうとは思えていない。
でもなんとなく、もう10年やって、20年同じことやった人になれるかもしれないと思っている。
というより、そんな未来がきたらいいなと思っている。