Spotifyの年間まとめ

Takafumi Hattori
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公開:2023/12/16

今年も少し前に年間で何を最も聴いたのかのまとめがSpotify上で発表された。

今年はこんな感じ。Spotifyがこの取り組みを始めてから毎年UVERworldが1位で、2位以降は毎年変わる。Netflixのライトハウスで好きになった星野源が今年2位に入ってきてて驚いた。

UVERは上位0.1%に入るくらいには今年も聴いたようだ。ファンになってから12,3年、変わらず聴き続けている。

Spotifyの年間まとめの施策は大きく2つの要素で効果的だと考えている。

  1. バイラル効果

  2. ロイヤリティの向上

1. バイラル効果

年間まとめが発表された直後には、インスタのストーリーや社内のSlackに何人も自分が今年聴いたまとめを投稿していた。自分の身の回りだけでもバイラル効果を感じた。世界中で見ればかなりの効果だろう。

この施策は、自然と拡散したくなるような要素が様々設計されている。

「世界中のリスナーのトップ◯%」として分かりやすく数字で可視化されることで、自分がそのアーティストがどれだけ好きであるか、ファンとしての熱量を証明することができる。SNSで自己のステータスとして表明したくなる要素が上手く設計されている。

楽曲のみのランキングに限らず、個別でアーティストをピックアップしたり、ポッドキャストも別でランキング化されていたりと、シェアしたくなる要素も多い。

また、年間のまとめを見た最後には拡散しやすいようにシェアを促す導線が設置されており、複数の背景色で好みに合わせて拡散できるようになっている。

シェアすることで、このまとめを起点に人々のコミュニケーションが多く生まれたことが想像できる。

ロイヤリティの向上

既存ユーザーのサービスに対するロイヤリティを高めることにも繋がっているだろう。

年間まとめの公開と合わせて「My Top Songs 2023」というプレイリストが自分専用に生み出される。いろんなアーティストの好きな楽曲を自分自身で1つのプレイリストにまとめることはとても手間が掛かるが、こうして自動生成されるととても楽だ。自分が好きな楽曲だけが詰まったこのプレイリストは何度も聴き返したくなる。

また、今年はまとめを見る中で、Adoからオリジナルのボイスメッセージも流れた。どのアーティストも録音しているわけではないと思うが、こうした自分の好きなアーティストからの限定のボイスメッセージはファンとしては嬉しいものがある。

こうした体験を重ねることで、Spotifyに対するロイヤリティが上がっていき、他の音楽サービスにスイッチしなくなるだろう。

最後に

恐らく昨年までは無かった気がするが、今年は11月30日に発表されてから数日に渡って、曲やポッドキャストを聴いてる最中に年間のまとめが発表されたことの広告が流れた。

何度も流れるため一度見た後は体験が良くないなとも感じたが、それだけこの年間まとめをユーザーが見ることによる効果が高いことを象徴している。

今後は過去の自分のランキングと比較して可視化されるとより面白みが増すのではないかと感じた。来年以降の発表が、今から楽しみだ。