毎日がラーメンというアプリがある。以下の3つが主の機能のアプリだ。
食べたラーメンの投稿が流れるタイムライン機能
マップからラーメン店を探せる検索機能
自分の食べたラーメンの投稿・管理ができるマイページ
たまたま知ったのだが、このアプリが凄い。8,618件のレビューで★4.6と驚異の高レビューを生み出している。広告があまりに多くて、UIも一昔前の雰囲気であり、アプリを作っている身からすると正直使いやすいとは思えないのだが、それでいてこの高評価を得ていることに驚いている。
タイムラインを更新すれば、数秒前の投稿がすぐに出てくる。ユーザーの多さと、その熱量の高さがうかがえる。
試しに使ってみると、ラーメンという1つのコンテンツに特化し体験を生み出していることが分かり、高評価の理由が見えてきた。
まず、なぜここまで投稿が生まれるのか、試しに1つ投稿をしてみたところ投稿しやすくする工夫に気づいた。投稿画面で写真を選択すると、食べたラーメン店とその日時が自動で設定される。撮影した写真の位置情報と日時情報から引っ張ってきているのだろう。こうした工夫1つでも、ユーザーからすると手間が省けて投稿のしやすさに繋がっている。
似たような設計をしてるアプリとしては、MOUNTONEがある。ハイキング・キャンプ・フィッシングの3つのログを残すことを基本としているアプリであり、投稿時の写真をアップロードすると、自動で撮影した日時が反映される。写真が持っているデータを引っ張ってきて自動で反映するという仕組みは、ユーザーの投稿負荷を削減する施策として有用だと感じる。
投稿をすることでマイページに今年食べたラーメンが記録されていく。ただ写真を撮るだけだと、他の写真と混ざってカメラロールに保存されてしまうため、後から振り返りがしづらい。「ラーメン」という特定の1つのコンテンツに特化して記録されることで、ログを見返すことが容易になる。
他のサービスで考えると、例えばみてねも同様の設計だろう。子供の写真に限定してアップロードすることで、見返すことがやりやすくなる。特に子供の写真は成長に合わせて振り返りたいというニーズがより強くなると思うが、写真をカメラロールに保持するだけでなく、1つの切り口で特化して記録することで見返しやすくなるという点においては、同様の設計だと感じる。
こうしてそのサービス上にログが溜まっていくと、他のサービスへの移行のハードルが上がり、Moatが築かれていく。
閲覧ユーザー目線で考えると、タイムラインに美味しそうなラーメンの写真が並ぶため、見ていて次ここ食べに行ってみようという気になりやすい。写真を大きく見せるタイムライン設計がラーメンという食のコンテンツと上手く組み合わさっていると感じる。
また、マップから自分の今いる場所から身近なラーメン店を調べられるのも良い。ラーメン好きの人たちがどれだけ投稿しているかで人気店も絞り込むこともできるので、良いラーメン店に出会いやすくなっている。GoogleMap等のアプリでも口コミや評価を見ることができるが、ここまでラーメンが好きな人達が集まっているサービスで投稿が多いということは、他のマップアプリよりも信頼に足る要素になっている。
1つ1つは他のサービスでも出来ることだとしても、1つの切り口に特化し切り出して体験を作ることで、ユーザーに受け入れられるということを強く感じたアプリだった。
それにしても広告は多いので、数百円の課金で広告を消せるサブスクが付くだけでも多くのユーザーが課金するのではないかと思う。ここまで広告が多いと個人的にはラーメン大好きではあるものの使う気が起きないが、意外と一般ユーザーは広告が多くてもしっかりと求める体験が提供されていれば離れないというのも驚きであった。