問題解決のための質問の方法

takai
·

はじめに

仕事では、質問をうまくすることがとても大切です。仕事は、一人では終わりません。いろいろな立場の人たちが協力して、終わらせます。あなたが分からないことは、誰かが知っているかもしれません。違う立場の人は、違う情報を持っています。そのため、みんなで問題を解決するためには「質問」が必要です。

この記事では「問題を解決するための質問」について説明します。問題を解決するためには、自分が抱える問題を相手に理解してもらい、必要な情報や助言を得るために、適切で具体的な質問をする必要があります。そのために、どのように質問をするのか、それが大切です。

もちろん、これ以外にも多くの質問の種類があります。たとえば、相手から新しいアイデアや意見をもらうための質問があります。また、相手の気持ちや考えを理解するための質問もあります。さらに、相手のことをもっと知り、親しくなるための質問もあります。

これらの質問は、それぞれ目的が異なります。問題を解決するための質問をするときには、他の目的を持つ質問と混ぜないようにすることが大切です。目的がはっきりしていれば、質問が相手に伝わりやすくなり、効果的に問題解決につなげることができます。

四つのポイント

問題解決のための質問には「四つのポイント」があります。この四つはどれが欠けても質問をうまくすることができません。

  • 解決したいこと:何をしたかったのか、目的は何だったのか

  • 行動したこと:実際にどのようなことをしたのか

  • 期待した結果:どういう結果を得られるとおもっていたのか

  • 得られた結果:実際にどのような結果が得られたのか

具体的な例を考えてみましょう。

  • 解決したいこと: パンケーキを作りたいです。外はしっとり、中はふんわり軽い食感に仕上げたいと思っています。

  • 行動したこと: ボウルに卵と砂糖を入れてしっかり泡立て、その後、小麦粉や牛乳を入れてなめらかになるまで丁寧に混ぜました。ダマが残らないように気を付け、時間をかけてしっかり混ぜました。

  • 期待した結果: ふわふわで柔らかく、軽い仕上がりに焼き上がることを期待しました。

  • 得られた結果: 焼き上がったものはしっとり感が少なく、もちもちした食感になってしまいました。

どうでしょうか。分かりやすい質問になっているのではないでしょうか。

なぜ、ふわふわのパンケーキができなかったかというと、主な原因として考えられるのは、生地を混ぜすぎたことによる「グルテンの過剰発生」です。小麦粉に含まれるたんぱく質が水分と混ざり、さらに生地をこねたり混ぜたりすることでグルテンが形成されます。グルテンが形成されると、生地の粘り気が増して軽やかさが失われます。そのため、ふわふわした仕上がりを求めるパンケーキでは、必要以上に混ぜることは避けるべきです。

よくある失敗「XY問題」

質問するときに、解決したいこと(X)を直接質問するのではなく、自分が考えた解決方法(Y)について質問してしまうことがあります。この「XY問題」は、質問者が自分の本当の問題(X)を明確にしないまま、その解決策として思いついた方法(Y)について質問してしまうことから生じます。

たとえば、「ふわふわのパンケーキが作れない」という問題があるとします。これが本来解決したいこと(X)です。しかし、質問者がその原因を「小麦粉の種類」にあると仮定し、「ホットケーキミックスを使うべきですか?」と質問した場合、これがXY問題にあたります。この質問では、質問者が本当に解決したい「ふわふわのパンケーキを作る」という問題(X)について言及されておらず、小麦粉という特定の解決策(Y)に焦点を当ててしまっています。そのため、回答者が提供できるのは小麦粉の選択肢に関する情報だけで、問題の本質には触れられない可能性があります。

XY問題が起きると、質問の焦点がずれてしまうため、本当に解決したい問題にたどり着けない可能性があります。また、回答者も「何を解決したいのか」がわからないため、役に立たない回答や、問題解決の遠回りにつながる回答をしてしまうかもしれません。

こうしたXY問題を起こさないためにも、問題解決のための質問の四つのポイントをおさえる必要があります。

一つでもポイントが欠けると?

問題解決のための質問には解決したいこと、行動したこと、期待した結果、得られた結果の四つが大事です。この四つのどれかが足りないと、質問の意図が伝わりにくくなります。それぞれがない場合を考えてみましょう。

まず、 解決したいことがない場合です。「卵と砂糖をしっかり泡立てて、小麦粉と牛乳を丁寧に混ぜました。焼き上がった結果、硬くなりました。」とだけ言われても、何を直したいのか分かりません。 何をつくりたいのかが不明で、どのような回答をすればいいのか分かりません。

次に、行動したことがない場合を考えます。「パンケーキを作りたいと思い、ふわふわに仕上げたいと思っています。でも、焼き上がりが硬くなってしまいました」という質問では、どうやって作ったのか分からないので、どこを直せばいいのかが判断できません。例えば、混ぜ方や焼き方が原因かもしれないのに、その情報がなければ具体的なアドバイスは難しくなります。

また、期待した結果がない場合、「パンケーキを作ったらもちもちになった」とだけ言われても、それが問題なのかが分かりません。質問者が期待しているのが「ふわふわした仕上がり」であることが分からなければ、回答者は何を基準にアドバイスをすればいいのか困ってしまいます。

最後に、得られた結果がない場合、「パンケーキを作りたいと思い、卵と砂糖を泡立てて丁寧に混ぜました。ふわふわで軽い仕上がりを期待していました」という質問は、どんな失敗が起きているのかが不明です。焼き上がりが硬いのか、膨らまないのか、それとも焦げてしまうのか、状況が分からないため、問題を特定するのが難しくなります。

これらの四つが揃うことで、質問は具体的になり、回答者が状況を正確に理解できます。質問をする際には、自分の目的や状況を整理し、相手に分かりやすく伝えることが大切です。四つのポイントを意識することで、より良いアドバイスが得られるでしょう。