吹き付ける冷たい風に
不釣り合いな温かい日差しが眩しい。
公園で幼児がはしゃぐ声に応えるかのように
ますます日は高く、あつくなる。
自由に走り回る子どもと、手を繋がれて歩く子どもの
帽子の色が違っていた。
こんな世界にあって
どうしたって健やかに育ってしまう
私はどこを自由に走ればいいんだろう
誰の手を繋げばいいんだろう。
帽子の色は変わっても
私が私であることは変わってくれない。
そのたった一片が
色になり名前になる。
道端の花が濡れていた。
通行人の唾の泡さえ
秋の野の露と見紛う
いやなくらい綺麗なひだった。