時系列順に書くとしたら、やはり『VATD』編のヴィランについてだろうか。
ヒーローの3名を設定し終わった後の仕事は、ヴィラン3名の設定だった。
とにかく、まずはまた名前や性格から。
「お花の敵だから……石だな! 生えるの邪魔しそうだし!」
すまない。本当に頭が悪い人ですまない。
そんなわけで、「ダイヤモンド」と「クリソベリル」と「ルビー」から名前をいただいて3名のヴィランを設定した。
ちゃんとモース硬度順に強さの序列が付いているw
だが、一個だけ懺悔と言うか……失敗したと今でも思っていることがあって……。
ダイヤモンド → 〝単結晶〟で存在できる。一番硬いのでラスボス(安直…)
クリソベリル → アレキサンドライトなどに派生。様々な色がある=「本当の色がわからない」存在
と順調に決め込んだ中で…ルビーだけは「派生先」にしてしまったことだ。
ルビーは一個遡れば、コランダムである。
コランダムの一種としてルビーやサファイアは存在するのだ。
だから…名前は「ラダム」とかにしておかなきゃクリソベリルとの統一が取れない!
えてして、こういうことはクライアントの偉い人の所まで上がってOKを頂戴し、今更もう変更できないときになって気づくものである。やってしまったと、ひとり頭を抱えて布団でゴロゴロと転がってももう遅いのである…。
イメージを…劇中での活躍イメージを先行させてしまった…。「燃える」って言ったら赤だし、ルビーだよね…と。
ゲームバランスという僕が首を突っ込めない領域において、「属性」の調整がしばしば行われることも考慮に入れていなかった…。
ルビーはあまりにも炎の色が強すぎる。雷…雷は想定外だった…。(なお、この葛藤はこの後もずっと続くw僕の力ではどうにもできんこともあるのです)
…いや! いや! でもコレで良かったんだ。ラダムだと…テッカマンブレード(おじさんですまない)になってしまうし!! 活躍はちゃんとイメージ通りだったから!
とまあ、クライアントすら気付いていない葛藤も初めて吐いてみたりして。
気付いていないと言えば、彼らの設定における元ネタについても記しておきたい。
彼らが『VATD』編で揃い踏みして出自が判明した時点で、僕の予想では、
「こいつらアレじゃんww」(※イメージです)
と、SNSであっさりバレるだろうと思っていたんだが……数年経った現在でも、少なくとも僕の観測範囲ではこのことに触れている人が誰もいない。
……気付いて……ますよね?
彼らの元ネタが、「妖怪人間ベム」だっていうこと。
【それは、いつ生まれたのか誰も知らない。暗い、音のない世界で、一つの細胞が分かれてふえて行き、三つの生き物が生まれた。彼らはもちろん人間ではない。また、動物でもない。だが、その醜い身体の中には、正義の血が隠されているのだ。その生き物…それは…人間になれなかった妖怪人間である!】
……悪役にしてしまった。すまぬ! すまぬ!! ついでに言うとまたしてもおっさんで申し訳ない。
でも、少し真面目に語らせてもらうと、彼らの(設定としてのモチーフを)「妖怪人間ベム」から引いたことにより、実は『VATD』編〜『AOA編』〜『+TW』編(さらに言えば途中で挟まるあのコラボも)に通底する大きなテーマがバチッと定まったのだ。
本編と、その派生元とで描かれるのは、いわゆる「血」によって繋がる家族の大きな運命のうねりであるのは今更僕が語るまでもない。〝神を敵に回したとしても〟未来に繋ぐべきものとして描かれた家族が最終的に何を成し遂げたか…。
ならば、僕が挑戦するべきは本編で描いていない「別の家族の形」であろう。
最初からそこまでのことを考えていたわけではない。
だけど、この3人のヴィランたちの形が見えたのと同時に、バチッと僕が為すべきことも見えた気がした。
「なるほど……! これならば〝アナザー〟である意味がある!」
もっと尊大な言い方をすれば、
「これなら本編と真っ向勝負で戦える!」
と。
彼らの結末と救済については既に劇中で描いたとおり。
この結末も実は大きくて、あれをクライアントに許してもらったことで、あえてこういう言い方をするが、「生き物ではない」Aストリアが別の人間として生まれてもいいことになった。
最後にRフちゃんが聞いたあの声が無かったら、『AOA』編の根幹を成す陛下たちのステップファミリーとしての関係性は無かっただろうし、RフちゃんとPレーネ(もちろんKドラ含む)の師匠で弟子で友達で家族というのも無かった。
それを目の当たりにして「いいですね」と言ったLシオくんが「家族たち」に背中を支えてもらって最後の決戦に臨むことも無かったし、その先の『+TW』編で描かれる新たな家族たちの姿も……っとこれはさすがに、別立てで書くことにしようか(もったいぶる)。
とにかく、実はけっこう重要なんですよ「妖怪人間ベム」。
さすがに今、昭和版のアレを見るのは厳しいという方は…2019年版の「BEM」を見てみるといいかも。公式サイトのメインビジュアルがすべて物語っているぞ。