トリリオンゲーム8巻を読んだ

takeshun
·
公開:2023/12/3

この巻は、ハルやガクや桐姫よりも圧倒的に、宝田とその上司である引受審査部長(名前不明)のシーンがアツかった。

部長は作中で嫌な役柄として描かれるが、セリフが全て芯を食っている。

今の部署、特に新規事業の立ち上げを担当するようになって、最も必要なのはスキルでも経験でもなくて、「責任を負うこと(それを自分が覚悟をもって自覚すること)」だと痛感する。(スキルや経験が必要ないということではなく、それより深いレイヤーに「責任」があるという意味)

客観的に考えると、自分のような大企業の中で新規事業を担当する場合はもちろん、(日本で)自ら起業する場合ですら、生き死にのようなリスクは全くない。が、その状況であっても「この人は命かけてやっているな」というのは、周りのメンバーには必ず伝わり、結果として事業の成功に大きく影響する気がする。

良き事業責任者/オーナーは、自分の経済的利益や社会的評価よりも、「その目的(事業/プロジェクト)が上手くいくか」を何よりも優先している。(個人の収入や評価を一切考えるべきでないという意味ではなく、あくまで優先度の問題)

トリリオンゲームで輝く登場人物たちは、そのように、とにかく、"ヒト" ではなく、"コト"に向き合っているから、本当にカッコいい。