目的
ストア哲学の本を読んで名誉や金銭をモチベーションは卑しいのではと疑念を持ったので、道徳と経済の関係性を本書から学びたい
TL;DR
欲はあって然るべき。ただ利己心に基づく欲は破滅のもと
道徳と欲の中庸をとって人生を全うすることが大切
道徳と能力と志があって初めて良き人生となる
分相応を弁えることも大事。時にには潔く引くことが自分のためになることもある
要約
過ぎたるは猶及ばざるが如し 1
小さなことは分別せよ 1
些細な仕事を完全に遂行できないものは大きなことも任せられない。箸の上げ下ろしにこだわるように、一見つまらない仕事にもしっかりこだわる
得意になっている時は些細なことを無視し大胆になりがち、そこからすべてが崩れる可能性が高い
蟹穴主義 1
功名を得るために得意ではないことに夢中になってはいけない。構成素質に見合う事を突き詰めることで人生の上昇スピードが上がる
立志の調和 2
大きな志(生涯かけて成し遂げたいこと)を達成するために小さな志を立てそれぞれを調和させながら進む。立志は早いに越したことはない。
自ら箸を取る 2
大きな仕事をして成果を上げたいなら自ら手を挙げること。ご馳走を口まで運んでくれるほど上司と社会は暇じゃない
常識とは智情意の結晶である 3
論理的に正しく、道徳的に正しく、意思に則した事柄のそれぞれの中庸が常識となる
善い志と善い振る舞い 3
振る舞いを徹底すると他者から評価されやすい。なぜなら他者は目に見え無い志を評価するほど時間がないし思慮深くはない。そもそも全員の志を見抜くのは無理。なので、振る舞いで物事を評価する。
道徳と富 4
現実に立脚しない道徳は独りよがりのエゴ。なぜなら富を得ないと国は崩壊するから。逆に道徳を無視した富の追求も危険。なぜなら国民全員がそう考えたら富を巡った騙し合いが勃発し全体としての生産性が落ちるから。これは国よりも小さい集団でも同じである
文明と経済的豊かさ 5
文明と経済的豊かさの両輪があって継続的な幸福がもたらされる。文明とは物の基盤。国であれば優れた仕組みとインフラ。人であれば信念(道徳)と基礎的な能力。経済的豊かさは言葉のとおりである。文明が欠けると継続的な一発屋で終わる可能性が高くなり、経済的豊かさが欠けると生活の困窮によるストレスに苛まれることになる。よって両方あって初めて幸福と言える
評価の難しさ 6
人の評価は結果のみならず過程と人格にも目を向ける。なぜなら空虚な成功に再現性はないから。また中身ある失敗には希望があるから。背景を完全に理解するのは無理でその上答えのない問を探るのは大変なので、振る舞いに目が行きがちなので普段から背景を意識するくせをつける
競争の道徳(競争の善悪 )7
善の競争
競争に勝つために愚直に事故を高める
悪の競争
相手の利益をかすめ取る、もしくは相手の足を引っ張り相対的に自分を高く見せること。絶対的な成長はしていない。
よって、善と悪の境目は「利己的か否か」で判断がつけられる
「子に孝をさせるのではない。親が孝をさせるようにしてやるのだ。」 9
自分の親は意識か無意識かこの方針で教育を施してくれたように思う。
順境も逆境も原因は自身にある 10
生活に困窮している人は自らの行いの積み重ねによって所謂逆境に立たされている。逆も然り。
自立(自主性)こそが人生を好転させる 10
人に頼ってばかりだと自身の能力を錆びつかせる。何事も自己解決できない自分が空しくなる。その結果ためらってウジウジすることになる。自分にムチを打ってとりあえず飛び込むが吉。「自分にはできない」思考が定着する前に失敗になれろ。
運命と結果論 10
とりあえずは成功に向けて最大限の努力をするべき。それでもなお駄目だったのであれば自分には才能がなかったのだと潔く諦めるのが良い。舞台から降りるタイミングはまちまちで、死ぬときに才能の無さに気がつくのかもしれないが、努力そのものが楽しければ不幸ではない。
メモ
決断基準
決断が遅いのは善悪の明確な基準がないから。自分は決断を迫られた際になんとなくこっちがいいかも的な緩い考えで意思決定しており、それ故に決断が遅い。そこに善悪の基準は介在していない。なので、善悪の基準を日々の生活の中で醸成していく。それでも決定スピードが上がらないなら決断回数を増やして決断そのものに慣れていくしかなさそう
権利と義務の違い
権利は「自分が他者や社会から受けるべき利益や保護」、義務は「自分が他者や社会に対して果たすべき責任や行動」です。
アクションプラン
怠けたくなったらp78「人生は努力にある」を読み返す
自分から箸を取る
人を判断する時は結果ではなく、背景と一貫性を問う。
立志する
参考