ノベルベームがやりたくて、勢いでSteamに登録し目についた本作。4時間ぐらいでクリアしたんだが、結論から言うとかなり面白かった。800円で遊べていいのかコレ?
【Steamより引用】
清崎蒼警部の退職から12年後、ある日訪ねてきた若い警官。彼女は「犀華ちゃん行方不明事件」を終わらせるよう協力を要請してきた。清崎はバラバラになった記憶のかけらを思い出して再構成するが、明らかとなったのは犀華の周りの全員が嘘つきだったということだけ。
内容としては、主人公・清崎蒼が体験した過去の未解決事件について、関係者の証言をもとに流れを再構成していくというもの。再構成といっても、関係者の証言はすべて清崎蒼の記憶が頼りなので、発言者が違っていたり順序が違っていたり、情報がぐちゃぐちゃになっている上に思い出せずにロックがかかっている部分もある。これを「誰が」「いつ」発言したか、一つ一つ紐解いていくのだが、この難易度のバランスがものすごくいい。視覚的なヒントもたくさんあるし、詰まることはまずない(と思う)。その一方で、それぞれがそれぞれの理由で嘘をついているが故に、「ん?」と引っかかる発言が多くて、「さっきあの人はなんて言ってたっけ?」とか「これは誰を指してるんだ?」とか「この発言変じゃない?」とか関係者のテキストを自然と何度も何度も読み返すことになるのだが、全然苦にならないのが素晴らしい。もとは韓国語で作られたってマジか?翻訳すごいよほんと。
とにかく行間を推理で補っていく感じがめちゃめちゃ楽しい。発言者と時系列を正せたときの、あの会話が繋がるエフェクトも気持ちよかった。
事件の前提というか、"犀華ちゃん"はこうなんだろうなっていうのはすぐわかったんだけど、誰と誰が夫婦なのかとか恵さんの立ち位置とか惑わされたなー!って思う。イラストもいい感じにミスリードだし、「母」「娘」みたいに誰が発言しているかによって誰を指しているか変わる言葉の使い方がめっちゃ上手かった。「ママ」とかね。こういう叙述トリックには初手絶対騙されてしまう。あとは「ちゃん」「くん」「呼び捨て」の使い分けかな。よくあるけどやっぱりいい感じに混乱出来て面白いよね。
通常ED(?)でどうして清崎蒼がここまで自分を追い詰めているのか違和感あったんだけど、真EDで納得できた(やや疑問は残る)のでこれはどっちのエンドも見るべき。
ただ「なんでいきなりその質問?」って部分があって、まだピンときてないけどメタ読み的にアンロックしてしまった(アンロックのための質問がネタバレになってるというか)ので、そこだけちょっとだけ気になった。まあ自分の勘が鈍すぎただけかもしれんが。
いやほんとに面白かった。SOMI GAMESさんの他のゲームもぜひやってみたい。