リモートワークがはじまってから近隣のスーパーや商店に詳しくなった。
近隣の商店が盲点になっていたことを知った。この街角にこんな豆腐屋さんがあったんだ、とか。このスーパー、たいして遠くないのにこんなにおいしい物がたくさん…とか。 これまでの食生活は外食かネットで取り寄せた食料の加工、というほどのものだ。そして、それが悲しくもあった。
日々、近隣に「熟知している店」が増えて、その品揃えを把握していくだけで、まるで旅行にきたように未知を開拓する過程にずいぶん慰められる…という流れが去年あたりから起きていた。
最近は行く先々でおいしそうな鰤に遭遇する。もともと好きな魚だが、先日はついに魚屋でそれを求めた。 今までは24時間営業のスーパーでも夜にしかよれずもう売り切れていたり、売っていても選ぶ余地がないほどだった魚を! 魚屋さんで! という感動があった。最早動揺といってもいい。
それでもゆっくり焼く時間がないので、さしあたりは炊き込みごはんにしている。たれに漬け込んだ鰤を焼ける日はいつかくるのだろうか? 若い頃はその程度の手間をかけるのも厭わずにいた気がする。まあ、レンジを使えばいいのだけれど。