スパゲッティの中でも独自の存在感を持つ、ナポリタン。
イタリア料理ではなく、オシャレでもない。
子供の頃はよく食べたが、思秋期になる頃にペペロンチーノやカルボナーラ、ジェノベーゼなどに出会うにつれて、その存在価値は薄れ、やがては(ミートソースとともに)避けるべきヤツと成り果てる。
そして歳を取り、どこかで再び偶然に出会う。
こみ上げる懐かしさはいつしか愛情に変わり……。
懐かしい幼なじみと再婚するかのように、また寄り添うようになる。
再婚したことないけど。
実際、歳とともにナポリタンを再び食べるようになりました。そして最近思うのは、ナポリタンってスパゲッティの一種と言うよりも、焼きそばの仲間、くらいに思っていた方がしっくりきませんかね?
スマホの中にナポリタンを探してみると、意外なほど少ないです。もう少し食べていると思うんですが、撮らないんですかね、ナポリタンだと。
その数少ないナポリタンの写真を。
まずは2021年の10月末に、長崎の福江空港で食べたナポリタンです。
息子1号と行った五島列島の帰り、空港ですることが無くなって、なんとなく食べました。まぁ腹は減っていたんでしょうけど。味は……覚えていないです。おそらくこの子は幼なじみじゃなかったんですね。
次は2022年4月末、宇都宮の喫茶店、フリスコ。
そうそうそうそう、これですよ。ゲスですね。見た目は。実際はとっても美味しいです。栃木県北部の大田原にあったお店が宇都宮の陽東に移転して営業していたらしいのですが、今は更に宇都宮の中心部の方に移転してしまったようです。かみさんの実家から行きにくくなってしまった。
この見た目、まるで宇都宮の焼きそばですね。とても幼なじみの匂いがする外見です。味はもっと新しかったのが更にいいです。好きだった幼なじみにちょっと似ている女性に出会った、という感じでしょうか(でしょうかじゃねーよ)。
次は最近もよく行く、吉祥寺のカヤシマです。
これはもう、旨いです。孤独のグルメseason1の7話に出てきたナポリタンです。もちろんB級の旨さです。ケチャップですね。ホールトマトとかトマトピューレとか、バカなことを言っちゃいけません。ナポリタンはやっぱりケチャップです。と言いたくなる旨さです。もう初恋の彼女ですね、間違いありません。ちょっとだけ変わっちゃったかもしれませんが、そういう自分も変わっているのです。うん。
2024年2月、つまり最近行ったここちよカフェ(cocochiyo cafe)。
地下鉄新宿御苑駅の大木戸門方面出口から少し歩いたところにある、ここちよカフェのナポリタンです。
前言全て撤回するかもしれないナポリタンです。上品。初めて会うきれいな人。初恋の幼なじみを捨てて走っちゃう男の気持ち、少し分かりますね。分かってはいけないんですけど。いけないからこそ、ですね ^^;
いや、これだけなんですよ。スマホにあったナポリタン。
なんかこれを期に、ナポリタンをもう少し追求してもいいような気がしてきています。