歯医者と木蓮とおはぎ

tamsae
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3月9日

とても褒められるべきことなのだが、歯医者へ行った。銀歯を取り、そこにある虫歯を取り除き詰め物をされる。痛く、うるさく、麻酔で唇がぶよぶよな感覚になる。歯医者のことが嫌いすぎて、どうして歯医者に行きたくないかについていくつもの言い訳をしたくなってしまう。でも人は歯医者なくしてはきっといずれ歯を失う。噛む、という機能が使えなくなった時、自分はどうしてもっとちゃんと治療をしてこなかったのだと自らを責めるに違いないので、渋々通っている。お金も時間もかかるが、メンテナンスをする。

誕生日がやってきて、いろいろな人からお祝いをいただいた。とても嬉しいと同時に、最近はとくに、自分はもっとしっかりしなくてはとか、今までどうだっただろうかとか、もっと稼ぐべきではとか、もっと書くべきなのにとか、少し自分を責める気分になっていた気がする。

今日は友だちが行きつけの朝ごはん屋さんに連れて行ってくれ、その後散歩をした。最近どうも長いこと座っていると身体も心も悲鳴をあげてしまうため、ゆったり散歩することは少し疲れるけど身体にやさしいことをしているような気分になった。歯も腰も心も大事。

そういえば最近読んでいる本で天文学の研究の歴史を紹介されていたところ、本題と全く関係はないのだが急に万有引力というのはすごいものだな、と深く感心し、最近は特に太陽のありがたみを感じている。太陽がないと私たちは地上を歩くこともできないし、暖かくなければ身体機能は維持できない。そもそも太陽がなかったら地球もなかったわけで……など至極当たり前のことを急にとことんありがたく思ったりする。今太陽がアツい、いや太陽はいにしえから熱いもんだよと心の中でつっこみを入れたりする。

散歩の途中でおはぎとスコーンを買った。その後、ひさしぶりに花屋に寄って木蓮を買って帰った。たいしてお金はかからないのに、木蓮の小鳥のようなふさふさした蕾を見ながらおはぎを食べて、コーヒーを飲んでいると、とても贅沢な感じがする。スコーンは明日の朝食べたい。

明日は一緒に「Aliens」という作品を作った演劇部の卒部会がある。おめでとう。昨年の公演に来てくれたので、きっとまたどこかで会えると思うけど。学校で最後に一緒に過ごせることが寂しくもあり、たのしみです。変な大人枠として関わってきた演劇部顧問も、部員や予算の減少により一旦終わりですが、今回の卒業生に関わらずこれから先どこかで、もしまたお会いしたり、何かを作れる機会があったらよろしくね。私は高校卒業から今までたくさんの失敗をしてきたし、基本的に自分のことをろくでもない人間だと思っていますが、できるだけ大人として恥ずかしくない存在でいられるようがんばりたいです。