丹が成し遂げたいことについて、なぜ働くのか v24.11

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公開:2024/11/25

最近、DELTAのレゾンデートルについて考えている。

と同時に、自分の思っていることのほとんどが適切にアウトプットされておらず、またされているものも断片的かつ非常にレトリカルで(これは自分の悪い癖)かつ難解で、要は普通にわかりづらいというのが問題だと思っている。

この記事は、自分の思いを、できる限りわかりやすくアウトプットしてみようという試みだ。

なお、これはDELTAの公式のパーパスやMVVなどではない。丹の個人的な思いだと思っていただいて結構だ。

漠然とした憧れ

あらゆる「なぜ」を突き詰めていくと最後は「なんとなく」に至るという話がある。

僕がやっているあらゆることの根底を突き詰めていくと、「なんとなく」の、a16zやYCombinatorのような、USのVCや、彼らが体現している世界観への憧れに至る。

ここは理屈ではないのだが、本当に漠然とした憧れだ。正直僕はシリコンバレーなんて行ったこともないし本で読んだ理解しかない。が、例えばa16zのBen AndreesenはNetscapeを作ったエンジニアで、そんなブラウザを作ってしまうようなハッカーたちが大金を得て、今後は資本の側に回ってオタクみたいな奴らをガンガンエンパワーしていくというエコシステムがとてつもなくかっこよく感じる。

結局、自分が成し遂げたい世界観は、そういった「かっこいいハッカーたち」が、エンジニアリングで経済を回すという未来をつくる、というものに尽きると思っている。

なぜ働くのか

自分がなぜ働くのか、ということだが、第一には「かっこいい自分でありたい」というものがある。非常に強いエゴだと思うし意外に思われるかもしれないが本当だ。

ここでいうかっこいいとは上述の通りで、簡単に言えばハッカーとしてありたい、ということだ。

日本のエコシステムに対する悔しさ

自分が抱いている感覚として、日本のエンジニアは日本や世界の経済を回していない、というものがある。

自分自身エンジニアだが、現状のエンジニア採用市場について思うのは、エンジニアの売り手市場が形成されているように見えて、結局のところエンジニアは「金の卵を産むガチョウ」でしかなく、待遇が一見して上がったように見えて実際にはエンジニアは価値の中心にはいないのではないか?ということだ。

USの最大級のVCはハッカーによって運営されているのに対して、日本のVCにはエンジニア自体がそもそも全く存在しない。自分の観測範囲でも数人で、実際にはもう少しいるにしても本当に少ない。

近年「DevRel」の語がスポイルされているというような話題があったが、それもそのはずでそもそも日本のエコシステムにおいてエンジニアは「採用するもの」でありヘッドカウントでしかなく、資本やビジネスがTech Leadでないので自然とそうなると自分は見ている。

自分は、自分自身がエンジニアだということもあってその現状が悔しくてしょうがない。端的に言って上記のような「かっこいい」状況ではないのだということが本当に悔しい。

もちろん、かつてと比較して技術者の地位が上がったこと自体は純粋に喜ばしいことではある。あるが、自分はエンジニアはもっともっと大きなことを成し遂げられる可能性を本当は持っているはずだと思っている。

自分たちの置かれている社会の状況

一方で、生成AIの登場やDXの潮流により、今やデジタル化されていない事業領域は存在しないと言っても過言ではない状況になってきている。

言い換えれば、ソフトウェアエンジニアがあらゆる経済活動に介入できる、している社会はもうすぐそこまで来ているはずだ。

この状況下で、結局ソフトウェアエンジニアはなぜ価値の中枢にいないのだろうか?

自分が成し遂げたいこと

重要なファクターは「リスクの有無」だというのが今の自分の答えだ。

鶏卵なのかもしれないが、優秀なソフトウェアエンジニアやハッカーたちが、フェアなリスクを負っていない、負えていないということが大きな問題だということだ。

ここでいうリスクというのは別に破滅するかどうかの賭けをやるとかではない。一生モノの借金を負うとかそういう話ではない。

しかし、例えばエンジニアリングでどこかに介入する、となったときに、そこに対して適切に技術を用いてベットできなければ、結局のところ小規模なリターンしか得ることができない経済条件になってしまう。

簡単な例をいえば、例えばデジタルな事業を作るとなった場合に、技術者がリスクを負っていない状態とは単に人月で参画するという状態だ。人月であれば仮に事業がポシャっても稼働分は確実に貰えるが、逆に言えばその程度のコミットメント、踏み込みしかできない。事業にコミットしていないステークホルダーは結局はその対価が大きかろうが小さかろうが結局は価値の中心にいることはできない。

今自分たちがやっている成果報酬型のコスト削減もその文脈に位置づけられると思っている。これは自分たちの技術力が足りず、結果が出なければ一円も貰えないというリスクを負っているといえる。

これは別に全エンジニアが就職するなということを意味しないが、しかし、にしても、誰かがそれをやらなければ、結局のところエンジニアの位地は変わらないのではないか、と思ってやまない。

自分はそれを、できる限り、自分の手が届く範囲では少なくとも、変えていきたいと思っている。

個人的にエンジニア創業者限定でエンジェル投資を始めたのもそういった意図からだ。

きちんとリスクを負って経済を回していくためには自分たちが強くあらねばならないとも思う。必要なのは高い企業価値と、リスクを負ってなお常勝であり続ける技術力と、そのうえでベットできる資金力だ。

DELTAが会社としてこれからどうなるかというのはいろいろとこれから話し合う必要はあると思うが、仮にDELTAがその器になるのであれば、自分たちがそれに足る強さと、手の届く範囲をより広く大きくするための成長が不可欠となる。

だから会社をめちゃくちゃ強くしたい。そのためには強いエンジニアと、それ以上に強いビジネスづくりが必要になる。

ということでこれまでの考えに少しでも共感してくれた人と働きたいと思う。

もし興味があればまずはカジュアル面談から始めよう。

言いたいことは本当にいろいろあるが、まずまとめるなら以上の通りになる。

間違っていること、未熟なことも多くあるだろう。これが現在地だ。少しでも共感してくれる人に出会えることを祈る。