知らない男の家に妻の気配を感じても、それただのフェイクかもしんねーからな!?女性が自衛で男性の下着干すのと逆の目的でな!!
シーライオニングガスライティングマンスプ冷笑ミソジニー全詰めおじさんを演じるヒューグラント!イ〜ヤ〜!!!うまい!演技がうまい!「こうなったのも、この子がこうなるもの全部きみのせいだよ?あ〜あ」を延々やる!
ナタリーさんの「カーディガンを着た怖いヒューグラント」でゲラゲラわろてたけど、わろてる場合ではない。カーディガンを着た=羊毛で編んだ皮を被った狼だよ!!家に入って騙されるシチェーションが赤ずきんぽさがあり、より狼感がある。
家に訪れた最初、名前を呼び間違えるシーンがあったんですが、あれはうっかりではなくもう「名前を奪うことで人格と人生を奪う」ことで、すでに嫌がスタートしていてすごい顔になってしまった。のちにシスターPや、シスターBやら名前を呼ばなくなる流れで気づくわけですが、最初気づかせないのが本当に怖い。結婚して家に入れたら、急にモラハラになるあれ、あれだ。
何回か羞恥に襲われたパートがあるんですが、1回目は家父長制の果ての最悪を見ながら、お前も所詮偏見の塊と指さされる構成。最初、シスターパクストンは軽薄な話ばかりであまり賢くなく心も強くないように見え、対象的にシスターバーンズはしっかりして知識も豊富で心が強いに見えました。バーンズはパクストンを少し侮っているのかなと思う感じもありました。なので、よくあるホラーの足を引っ張るキャラクターかと思うんですよ。でも彼女はよく見てよく考え、物事を遂行する力がある人物なんですよね。自分は一面だけ見て勝手に判断してしまっていた。それは己の中によくないマッチョ思考があることの証明であり…。考え方が軽薄なのは私。
2回目の羞恥をの襲われたのは、リードとシスターたちの問答パート。私自身、信仰している宗教はないです。なんとなく権威や家父長制を感じて遠ざけているんですけど、そういう態度を取るまでに知識を集めたり勉強したり自分なりに考えぬいたわけでもないんですよ。その態勢でリードの冷笑長口上を聞くと共感性羞恥でア゛ーーー!!なるわけです。相手は悪だと疑うのではなく、よく自分で見てよく考えなさいという事を…言われ…。自分を顧みて恥ずかしくなるんだよお!
悶絶しながら迎えたラスト。家父長制や権威を全部取り去った後に残る、信仰は何かというパクストンの答えは普遍的であるなと私は思いました。それは彼女がよく見つめ、考え抜き、自分に真摯に問いかけて出したものであり、誰かに刷り込まれたことではなかった。前ふたつを内包した人間には辿り着けなかった答えでした。
押し付けをせず、ただ他人のために祈れることは奇跡なのかもな。
知識は大事かもしれないけど、それを自分で考え抜いて自分の中で立てる。そういうことが大事なんだなと大変反省をしたのでした。
宗教に詳しかったらわかるネタがたくさんあるんだろうけど、私には全然わかりませんでした。ラストで。リードが釘によって絶命するのは、キリストの復活の逆をやってるのだなくらい。