往診サービスのこれまで

tanimutomo
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医療DXの仕事をしているので、今回(2024年)の診療報酬改定でサービス終了に追いやられたところが多い往診サービスに関して、どういう背景で今回の改訂があったのかについて調べてみた。

いくつか記事をピックアップしながら話してみる。

使われ方が国の方針とは合わなかった

  • 普段から訪問診療を受けてない人が受ける時の料金が高額になった

  • 国が支援したいのは具合が悪い時に駆けつける医師ではなく、日常を守るかかりつけ医である、という認識

    • 往診サービスには救急車を減らすというメリットがあることが期待されていたが、実際には減らなかった。つまり、翌日に普段だったら行ってた人が呼ぶようになっただけだった

  • 実際に小児科領域がほとんどであるというデータが出ている

  • 確かに、子供が熱出した時に、次の日に会社を休んで付き添ってあげるのは難しいから、夜間に往診サービスを呼んでそこで薬をもらう、というやり方やな

    • つまり、本当は地域医療の流れで、かかりつけ医が自分でいけない人も含めて、面倒を見てもらえるようにする、というのが往診サービスの目的だったわけだが、それが都内の忙しい共働き世代の子供の治療に使われてる結果となった、ということだな。

    • まあでも子供が熱を出した時に、簡単に仕事を休めない人がいるのは事実であり、それは個人のせいではなく社会の側に責任があるので、利用者に非があるとは言い難い。

子供に対する無料利用と国の方向性との不一致

  • 高額な医療費がかかる、夜間だと13,000円かな、それが4,500円になったんかな

  • 往復したらそれなりにかかるのは仕方ないよね、ということ

  • 東京では義務教育課程の子供と乳幼児の医療費は無償になる制度があるので、交通費の960円だけで利用可能

    • 税金の無駄遣い、と言われている節もある、ファストドクターだけ儲けてる!てきな

  • コールトリアージをしていて、経過観察でいい人は受け付けないようには一応している

  • 自分ではいけないような、例えば高齢者の方が多く住む過疎地域などでは、ファストドクター自身が利益出せないからやってない?

    • そもそも人いないから展開しないのはわかるけど、多分医師抱えて固定費払ってないだろうから、出来高払いじゃない?だとしたら、利益云々ではないね。少なくとも医師と契約したりするコストを払うだけのリターンは見込めなくてやらなそうではあるけど

    • ↓ 次へ続く

医師の雇用に関する問題

  • ファストドクターは医者を直雇用してるのか

  • ファストドクターの利益的な都合で契約を無理やり変更するようなコミュニケーションがあった事例の裁判なんだな

    • 医療機関で知り合い経由でしか人を採用してないから、雇用契約巻いたことない、みたいなところを聞いたことがあるので、割と管理は杜撰なんだろう、そこに漬け込んだとも言える

  • こりゃ確かに地方ではやらないわけだわ

グレーな夜間加算とWin-Winだけど国としての持続性がないモデル

  • 2018年時点での話だけど

  • 本来は取れないはずの夜間加算を取らないとこの金額にはならないはず

  • 脳梗塞とか本当に緊急を要するものだけに加算されるものなので、かなり怪しいライン攻めてる

    • 合計で17000円くらい飛んでくというのは、通常の3倍くらい

  • 本来は若い人でクリニックに行けないほど、というのはかなりまずい状況。だが実際はそんなことなく昼間に行ける人が多い

    • また、往診というのは本来は、通院困難な人に対してのみ保険診療として提供可能なものであり、通院できる人に対してはアウト。

  • 提供企業、やってる医師、患者、にとってはWinな関係かもしれないが、社会保障とか国の医療制度全体として考えると、非常に持続可能性が低いことをやっている

感想

  • ただ、2022年に夜間加算の算定基準等が変わったこともあったらしいが、それはコロナ禍の影響があったのかな?というところと、政府がファストドクターに対して強く出れなかったのは、感染症流行時に協力してもらっていたこととかが影響してるんだろうか?

    • だから、やんわりと?、絞められたのかな?

  • 医療の提供の質という観点での良し悪しは判断できかねるが、場所を構えているわけでもなく、再診などもないのかな?と考えると、その場しのぎ的な対応をしても責任として医師に降りかかることは少なそう。だとすると、長期で患者の治療や健康にコミットする、という考えは生まれずらい、という構造的な問題はあるのかな。