松本市美術館の企画展示としてやっていた、須藤康花さんの展示を見てきた。
幼少期から病と闘いながら、絵を描き続け、30歳という若さで亡くなってしまったのですが、その人生を追体験させてもらえるようなそんな展示会だった。
まるで小説を読んでるかのように、1人のひとの人生を追体験できた。
それを言語というインターフェースではなく、岡本太郎のいう生きることそのものとしての絵を媒介して追体験することができた。
そうするとこんなに芸術って面白いのか、と思わされた。
小説や映画とは異なり、鑑賞側が主体的に絵を見て感じとる作業が必要だからこそ、言葉に表せない情報が大量に心や脳に入ってきた。
光と闇というテーマだったが、仏教的な思想に近いというか、生きることそれ自体が苦行であるかのような表現だと自分は感じたために、見てる最中に途中から体が熱を帯びるというか、ゾクゾクして鼓動が早くなっていた。
そして、美術館を出た後に、須藤康花さんのお父さんが書いた(作者は弟さんの名前になってるが)本が売られていたので買って、その後入ったカフェで、はじめに、だけ読んだ。
そこには康花さんの考えや、どういう生活を送っていたか、その背景にある思想や影響を受けているであろう哲学者や小説家について書かれていた。
本自体は作品とセットで人生をより詳細に追体験するようなものだったが、はじめに、話読んだだけで、結構心が押し潰されそうになる感覚になり、そこで読むのをやめた。
そして、温泉行って銭湯入ってスッキリしたら、治った。
あのなんとも言えぬ感覚は味わったことがなかったので、芸術のインパクトの強さというか、表現方法の素晴らしさを感じた気がする。
3/24まで展示会やってるので、本読み終わったらまた行けたらいいな。