突然、母が実家のキッチンのIHコンロを買い替えた。話を聞くと、どうやら魚を焼くためにグリル部を使用するとブレーカーが落ちることがたまにあった模様。本体が17万円で配送取り付け既存品引上げで2万円。消費税を加算すると20万円を超える買い物だ。
滅多に使わないところの不調なのだからそのまま使っていれば良いのにと思ってしまうが、もはや毎日3度の食事を作ることくらいしか楽しみがないのかもしれない。コンロが3口から2口に減ったにも関わらず、すっかりご満悦だ。いつもコンロ上の排気ダクトをオンにしてキッチンでタバコを吸っている父も、新しい機器に興味津々の様子だ。
それよりも、こんな高額の買い物を父がよく文句も言わずに認めたな、という驚きの方が強い。外で安酒を飲んでくる以外に金を使わず、せっせと貯金することを生きる喜びにしているのに。もう死ぬまで苦労しないくらいの蓄えができた余裕なのだろうか?
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" 家はそんなに豪華じゃなくっていい。不便なことがひとつくらいある、好きなもので散らかるくらいがいい。 "
『やさしい生活』カネコアヤノ