2024.2/27(火)

冬将軍は2月も終わりになってようやく本気を出し、長野の街には昨日から雪が降り続いている。今日は日が差しているのだが、雪の勢いは昨日以上だ。

今日は長野の会社でミーティングがあった。特許庁関連の組織が主体となった、官民の半年間のプロジェクトの最終回だ。経産省や信金の方々も入って参勤交代のごとくぞろぞろと会議室に現れてくる。

じつは、私ともう一人の信大研究員は会期の途中からこのプロジェクトに入った。おかげで「産学官金融連携」というさらに大仰な集まりになってしまった感があるが、我々が入るまではかなりグダグダな展開だったようだ。

地域企業支援のプロジェクトは全国各地で多数行われているのだが、その背景には地方の経営層の危機感のなさがある。人口減少フェイズの中で地方経済の衰退が問題化される中、自分の代はなんとか生き延びれそうだと思って持たず保身に走る、大局観のない経営層があまりにも多いのだ。

さすがにそれでは困るということで、メインバンクの地銀や信金が一生懸命に経営者のケツを叩きこういったプロジェクトに参加させる流れが、ここ数年よく見られる光景である。

お題は「リブランディング」。といっても大層なことではなく、企業の軸となる事業の顧客ターゲットを再定義し、顧客からどのように認知されたいのか? これを明確にして、そうなるためにすべての取り組みをおこなっていくことだ。ブランドというといわゆるハイブランドを想起してしまうのだが、そんなにおしゃれなものではないのだ。

人間、放っておくと目の前の事態の対応に気を取られ、目先の売上や利益確保に翻弄されるものなので、定期的に「そもそも」論に取り組むことがはとても重要なのだ。

今回私ともう一人が「実務家研究者」として行ったことは、「ブランドの仮説設定(こうありたいこと)」と、その仮説検証のアンケート実施・結果分析(実際はどう思われているか)の2つ。今回の会議ではアンケートの結果を踏まえて、派遣されたブランディングの専門家と「認知のギャップを埋めるために何をどのようにすれば良いか」を議論した。

とても充実した内容だったが、結局は経営者が実際にこの結果を理解した上で「ブランド」を再構築して自ら旗を振らないと、おそらく現場レベルではほとんどなにも変わらないだろう。

しかし、こんなに効率の悪い取り組みであっても、様々な立場の人たちが力を合わせて地道に繰り返していくことで少しづつ企業が変わり、地方経済が活性化していくのだ。私をはじめとして地域に関わっている人たちは、そう信じて日々取り組んでいる。

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" 夢を信じて生きてゆけばいいさと、君は叫んだだろう? "

『夢を信じて』徳永英明

@tanpopo1973
気まぐれに日記を書いています。