また和歌山に来ている。
いよいよ空き家再生物件の厨房に入れるようになったので、実際に店舗の機器を使い、店舗に納品される食材を使って試作し、レシピを完成させようというー目論見だ。しかし、問題が2つあった。
ひとつ目は、機器がすべて揃っていないこと。紀州備長炭を使った炭火焼きがメインなのに炭焼き台がない。あと補助金で購入したスチームコンベクションを使おうとしたら、電気配線ミスでエラーが出て動かない。ふたつ目は、すべての食材の仕入れ先がまだ決まっておらず、仕入れ原価も納品ロットも配送頻度も不明なままだ。
こうなったのもすべて社長のせい。不動産業をメインとしている中で、地域活性化を大義とした飲食店経営は会社のブランドイメージ向上の観点から有意義ではあるが、同時に趣味とか息抜きとして私的利用しがちな側面もある。忙しくて手が回っていないのは傍目にも明らかなのだが、息抜きのツールなので業務を手放したくないのだ、きっと。
かくして、社長の存在がボトルネックとなり、オープンは当初予定より大幅に遅れる見込みなのである。今日対面したメンバーには現状の問題と早急に解決せねばならないToDoを伝えておいた。幸いにもメンバーたちには相応の危機感が生じているので、緩やかにでも事は進んでいくことだろう。
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“ 出逢いはスローモーション、軽い眩暈誘うほどに。”
『スローモーション』中森明菜