今日はフィールドワークの2日目。
案内してくれる方が酷い風邪を引いているため、感染を防ぐために同乗は諦めて急遽駅前のカーシェアを利用して思いがけず3ヶ月ぶりの運転をする羽目に。
案内人の車を追尾しはじめて間もなく、近年稀に見るレベルの腹痛が到来し、冷や汗をかきながら、しまいにはペダルを操作する足がガタガタ震えながら、まだ雪の残る山道を小一時間進んで行った。
もう限界だ。右手に見えるコメリの廃墟に車を止めて野◯ソをしよう! そう私が決意したと同時に、先行車が右にウインカーを出した。なんと、目的地はここだったのだ。施設のトイレを借りて奇跡的にパンツを汚すことを免れた。
ところで、ここは『図図倉庫』という村民や研究者.アーティストが集う秘密基地だ。原発事故の影響で撤退を余儀なくされたコメリからタダ同然で土地と建物を譲り受け、ワサビの水槽栽培や大学の研究スペースなどのテナント貸しとコンテナカフェの運営・アートイベントなどを行っている。
村の仲介で始めた事業なので、かなり地域密着度は高いようだ。元々大学の天文施設があるなど、研究者やよそ者の出入りには慣れている土地柄のようで、汚染土壌の検査や除染方法の試行錯誤など、地域と大学の連携が上手くいっている。
そこに各地からアーティストや料理人などが流れてきて、地域の風土や民俗・文化に根ざしアップデートするような取り組みがいろいろと行われている。素晴らしい。そういえば、トイレもキレイにリノベーションされていた。
同じ浜通りでも海沿いの地域は地元の漁師や水産関連の業者が地縁血縁を駆使して復興を図り、内陸に入ると小高のように移住者も入ってものづくり系の新たな流れができ、中山間部に至ると学者をうまく使って酪農を復興させたり各地のアーティストを活用したり。それぞれやり方が違うのが面白い。
内陸を拠点にして沿岸部と中山間部に関わっていくのが面白そうだなと実感したことが、一泊二日の旅の収穫だった。
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" あなたとの約束が叶うのは、あした。 "
『チェリーブラッサム』松田聖子