短歌①

春夏秋冬

「Spring」と噴き出す命の潮流はpinkの木の下からやってきた

生い茂る緑の深く伸びた根の先の冷たい地層の奥の

あっ、風! 永遠たれと望む間に落ち葉になりゆく黄を掴む、今

白一面 もうどこにも行けないと卵の殻のような断絶

おばあちゃん

何人の子どもを乗せて歩いたか 業より深く腰は折れゆく

お見合いで出会ったアルチュー死んだって もう自由だよ どうして泣くの

何度でも説明するよ、ケータイのボタンの押し方 写真の見方

ありがとう→煮物漬物お味噌汁 すべて私の苦手な善意

「こんな服似合うかしら」と言わないで ゆるしはいらない 美しい人

飛行機に乗ったことない女の子 老人ホームで地球儀は回る

庭の木を一本一本切り倒す 残りの寿命を数えるように

お腹空いたら

1+1=ピスタチオ 食べるたび味を忘れてしまうからまた

ありえない食べ物だって聞いたから青いおかしを集めて回る

ミルフィーユ、バウムクーヘン、クロワッサン 皿の上にも千年だろう

スーパーのロールケーキの森がある 切り株に腰かけて休めば

@tantakadance
サボテンに水をやりなさい