至らない20歳

tarishihiko
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未熟だ。若い。20歳、今の私はあまりにも幼い。

同級生を見る。小さいころから比較が当たり前。私は身体の成長が早かったから、同級生の間で、学校内で目立ってしまった。しっかりしなくては。大きい身体に見合うだけのことをしなくては。そのような意識もあったが、私は誰よりも泣き、気の弱い情けない子供だった。

中学生になる。進路、部活、勉強、委員会、資格...本格的に比較が始まる。周りよりも秀でていなくては、アピールしなくては、いい成績が取れない。いい学校に行けない。なまじっか勉強ができた私は、親にも教師にも期待されていた。背負ってしまった。見栄を張って運動部に入った。ハブられた。コミュニケーションが取れなかった。みんなと仲良くできなかった。もうダメだと学校に行かなくなった。余計にひとりぼっち。自分の殻に籠ることを覚えた。そのうち学校に復帰した。受験頑張ってみんなが行かないような高校に無理矢理入った。挫折を乗り越えた悲劇のヒロインを演じていた。

高校生になる。私はもはや目立たなくなった。そこまで身長が伸びなかった。勉強で秀でているわけでもなく、部活も雰囲気が最悪だった。無理だった。また、不登校になった。友達がいなくなった。誰にも踏み入られたくないと、全て拒絶した。日本の高校は、頑張れば2年半で卒業できる。半年不登校だった私はその半年を必死に取り返して現役で高校のレベルくらいの大学に入った。殻に籠ったまま勉強を続けた。

大学生になる。やっと比較から解放される。わけもなく。自分が知らない世界にいる人をたくさん見た。怖かった。比較されたら負けてしまう。就活で戦ったら、負けてしまう。また殻に籠る。大学で新しく始めた趣味で歳上の人と出会った。自分よりはるかにしっかりした年下や同年代もいる。趣味のレベルだけではない、人間的にもさすがと思ってしまう。私はあと何年したら、大人になれる?また殻に籠る。自分の未熟さが嫌になる。こんな素晴らしい人たちと一緒にいていいはずがない。

私はどうしたら大人になれる?どうしてこんなに精神的に幼いのか、殻に籠ってしまうのか。どうしたら、至らない人間でなくなるのか。