3日前の自分からの贈り物

tarokappa
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うずたかく積まれている本

Amazonで本を買うコツは、忘れることだ。

新しい本は本屋で手に入れたい。Amazonでは中古の本が良い。話題書ではなく、少し時間が経った本が良い。ここではKindleは考えない。

本との出会いは、Amazonのアルゴリズムの外から来る。どこかの新聞の書評で見ることもあれば、古い読書案内に従うこともあるし、Blueskyでたまたま目に入った書籍を買ったりもする。

そういう本を、とにかくたまたま目に入った本を、Amazonで探して買う。新しいことにこだわらず、中古の本はなるべく安値に設定されるものを買う。書き込みやカバーすれは厭わない。

中古の本がどのくらい早く配送されるかは売主次第だ。3日で届くときもあれば、1か月かけて忘れたころに到着することもある。

Amazonの購入体験は魔法のようにスムーズだ。カートに入れて購入ボタンを押したら、購入した行為自体を忘れることができる。

あるとき(それは通常、3日後だ)、ポストに封筒が入っているのを目にする。きっと私が購入したのだろうけど、何が入っているかは忘れている。

「お、この本読みたかったんだ!」と喜ぶときもあれば、「こんな本を選ぶなんて、センスがあるなあ」と感心することもある。そういう時は、楽しく読み進められる。

「なんでこんな本が送られてきたんだ? 配送ミスか?」とひたすら疑問を抱くこともある。そういう時もとにかくページをめくってみる。意外と面白かったり、考えさせられたりする。

ときおり書き込みが入っている本がある。そういう本は値が付かないが、前の持ち主の関心を伺い知ることができて、むしろ興味深かったりする。

途中で飽きたら、とりあえず並べておく。たまたま目について必要になった箇所を読み返したり、あるいは必要に駆られて読み出すかもしれない。そういう時ほど、本に対する理解が深まるように思う。

このようにして私の家には、本のタワーが育ちつつある。