出会いの場は、マッチングアプリ一強という時代だ。それ以外の出会いを作りにくいのは確かだ。でも、頑張れない。何度チャレンジしても頑張れない。その理由が何となく分かった気がする。
仲のいい上司が言っていた言葉。パートナーや人と関係性をつくるとき、綺麗にして、自分をよく見せて、相手の好みを意識したりもして、そうして自分を飾ることが大事だし大変なことだと思うかもしれない。
でも本当は、逆。自分の持っている鎧を脱いで殻を破って、ハダカの自分を見せていくことが大事であり、一番難しいことだ、と。この言葉には胸を打たれて、今でもよく覚えている。
社会性を身につける必要が出てきた頃から徐々に、自分の言動が不用意に人を傷つける可能性があるという恐怖心から、八方美人になり、思ったことをあまり言わなくなった。そうこうしてるうちに、自分が本当に考えていること、大事にしていることが分からなくなりかけていた。今は絶賛それを取り戻していっている最中なんだけど。だからこそ、上司の言葉は響いた。
マッチングアプリは1:1ではなく、他人と並べられ比較される1:多のフィールドだ。それゆえに、自分をよりよく見せることを是としたフィールドでもある。そういう意味で、心のどこかでそもそもの関係構築の主旨に反しているような違和感を感じていたのではないだろうか。
あの場で(比喩的な意味で)ハダカの自分を曝け出すのは非常に難しい。そんなことをしたら誰ともマッチングしなさそう、どうしても多少は取り繕わなきゃと思ってしまう。でも今それをやるとまた過去の自分に巻き戻ってしまう。だからマッチングアプリをあまりしたくないし気が進まない。結局、ハダカの自分が人に好いてもらえる自信がないということだ。
選択肢は3つある。ビジュアルの話を入れるとややこしいので、一旦性格や内面について。
1.多少自分を捻じ曲げて取り繕ってでも、人から好かれやすい自分を演じる
2.理想状態を目指して、そもそものハダカの自分を変容させる
3.ハダカの自分を勇気を持って晒して、それでも関係性を持とうとしてくれる稀有な人を探す
1はこれまでやってきてしまって、でも自分がなくなっていくのでもう止めたい。2は1の延長っぽさもあるし、もっと若かったらいいけどここまで来て生まれ持ったものを強制して変容させるのはどっかで揺り戻しが起きそう。それに自分で言うのもなんだが、自分の心のありようは長年付き合ってきたので可愛いもんなのだ。(それが他人様に快く受け止めてもらえるかというのは別の話だし、この厄介な内面をカバーできるほどのビジュアルも持っていないのだが…)
つらつらと言い訳がましく書いたが、結局今やってみるべきなのは3だろう。これによって、自分は自分を認めていると他者に発信できる勇気と自信をつけたい。他者が自分をどう思うかは副次的なもので、好意的だったらラッキーくらいに思っておく。
その上で、どうしても入り口となりうるビジュアルは可能な限り磨く。ポテンシャル的に限界はあるが、やらないよりはやったほうがいいだろう。ただこれも他人に好かれやすいという軸でやるのではなく、自分が自分を好きでいられる状態、としたい。私だったら、ちょっとトリッキーな古着やおしゃれが好きだから、それが似合う体型やメイクを目指す、とか。
とりあえずマッチングアプリは、自分を正直に晒し、自信を持つためのツールとして、もっと実験的に使ってみようと思う。