珈琲と本

tatane616
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このエントリは、 Coffee Advent Calendar 2023 の11日目です。

珈琲を飲んでいるときって本を読みたくなりますよね。そんな相性の良さもあって、珈琲をテーマにしたり、タイトルに入れたりしている本は多いです。

今回は、私が読んできた、珈琲にまつわる本を少し紹介しようと思います。

作家と珈琲

毎日の食卓で、行きつけの喫茶店で、異国の地で味わう、一杯の珈琲。昭和の文豪や現代の人気作家によるエッセイ、詩、漫画、写真資料を収録。珈琲の香りただよう52編。

タイトルの通り、たくさんの珈琲好きの作家が、それぞれの珈琲や喫茶店に対する想い・こだわりを文章にしたものが載っています。

珈琲の好みや文体も十人十色で、ずっと飽きずに新鮮な気分で最後まで楽しめます。活字が続く中に、水木しげるさんの漫画が入るのも良い。

作家とその作品たちは、いつの時代も喫茶店に育てられてきたんだなと感じます。

月とコーヒー

これは、忘れられたものと、世の中の隅の方にいる人たちのお話。喫茶店〈ゴーゴリ〉の甘くないケーキ。世界の果てのコインランドリーに通うトカゲ男。映写技師にサンドイッチを届ける夜の配達人。トランプから抜け出してきたジョーカー。赤い林檎に囲まれて青いインクをつくる青年。三人の年老いた泥棒。空から落ちてきた天使。終わりの風景が見える眼鏡──。人気作家が腕によりをかけて紡いだ、とっておきの24篇。

こちらは吉田篤弘さんの単著で、あとがきにあるように、一日の終わり、寝る前に読みたくなるような短い話が24篇入っています。

それぞれの話では、ふとしたタイミングで「月」や「コーヒー」が顔を出します。

どれもふわふわとした読後感で、読んでいると自然とスローリーディングになって気持ちが落ち着いてきます。ビジネス書や技術書を読んでいるときとのギャップがすごい。

個人的にはこの本がきっかけで吉田篤弘さんにハマってしまったので、同じくこの本から吉田さんを好きになる人がいたら嬉しいなと思います。

コーヒーと短編

近代文学に造詣が深く、『コーヒーの絵本』の著者で徳島の人気焙煎所アアルトコーヒー庄野雄治が、コーヒーを飲みながら読んで欲しい短編を厳選しました。

「作家と珈琲」や「月とコーヒー」とは違い、文章には珈琲はほとんど出てきません。ただ、タイトルに「コーヒー」と入っているだけなのだけど、それで読みたくなってしまう。

収録されている短編たちは「厳選しました。」とあるように満足感のあるものばかり。短編といっても作品ごとに長さはバラバラで、それに加えて文体の違いなどもあり良いアクセントになっています。

梶井基次郎の「檸檬」など、有名どころの作品もちらほら。

珈琲の哲学

インドネシア現代文学を代表する女性作家ディー・レスタリの短編集、本邦初の全訳!表題作「珈琲の哲学」をはじめ、さまざまな形の愛を追い求める人たちの痛みと迷いと癒しを鮮やかに描き出す珠玉の18篇を収録。

今年バリ島へ旅行に行ったのですが、そのときにインドネシアにかかわる本を持っていきたいなと思い買ったうちの一冊です。

「珈琲の哲学」は収録されている短編のうちのひとつであり、インドネシアを舞台にコーヒーショップを経営する男2人の物語です。読んでいると、どうしても作中にでてくるティウスコーヒーを飲んでみたくなる。

珈琲とは関係なくなってしまいますが、現地で読むと他の作品も含めイメージが広がります。

あらためてこれらの本を手にとってみて思ったのは、どれも装丁がかわいい。カフェに持っていくとテンションが上がりますね。

みなさんも、珈琲にまつわる素敵な本を知っていたらぜひ教えてください。