食あたりからようやく回復した夜。何か食べたいものはないかと聞かれて、ふかしたジャガイモが食べたいと答えた。つれあいがジャガイモを買ってきてくれて、ふかふかふかしてくれた。大きなジャガイモを1個。ふかふか食べる。
ジャガイモといえばニーチェの馬を思い出す。思い出すと書いたが、タイトルを思い出すまで難儀した。あれは確かレーニンの馬…いや違うな。ソクーロフの作品だったはず…違った。ロシアの文豪の名前をあててみるか。トルストイの馬、ゴーゴリの馬、ドストエフスキーの馬、チェーホフの馬…全部違うな。ロシア映画でしたよね…違った。全然思い出せず、やけくそで「映画 農家 ロシア 馬 ジャガイモ」で検索したらヒットした。監督はタル・ベーラ(ハンガリー)だしニーチェはドイツだしでロシアは全く関係なかった。
刻一刻と迫る世界の終末に対して貧しい民は何もすることもできず、ただ同じ日々を繰り返すのみ。枯れた土地での唯一の食料であるジャガイモを毎日1個ずつ食べる父娘。けれどそのジャガイモも食べられなくなる日がくる。
父娘が感じたジャガイモへの絶望と違い、食あたりから復活した私のジャガイモへの感情は希望。アンディ・ウィアーの火星の人の方が近いかもしれない。(映画は見てないけれど原作同様ジャガイモとダクトテープバンザイだったのかな)
ジャガイモや馬や映画で検索していたら、ジャガイモの出てくる映画を紹介しているサイトを見つけた。何かを中心に据えて映画を観たことがなかったので試してみたくなった。映画鑑賞の新しい楽しみ方を考えてみよう。