待ち合わせのために電車に乗った。到着はギリギリになりそう。降りる駅は何番目だったっけ。A 駅の次だったか。ぼんやりスマホを見ていたらA駅のアナウンス。次の駅で降りる。
違った。目的の駅はA駅の前だった。戻らなければ。次の時刻を見る。あと20分は来ないうえに快速だ。目的の駅には止まらない。さてどうしよう。
改札を出る。少し歩くと私鉄があるので終点まで乗り、そこから地下鉄に乗り換えれば目的の駅に着く。そんな鉄オタのような挙動で事なきを得た。いや大遅刻なので全く得てない。
鉄オタのような挙動と書いたが、地の利と時刻表を駆使してと書くと松本清張や西村京太郎の気分になれる。言い方次第。
パンと織物という不思議な取り合わせのイベントに行ったのだが、人はパンが大好きらしく並ぶこと並ぶこと。私も好きだが並ぶのは好きじゃないので、なかなかパンにありつけない。昼前にお腹を空かせて行ったので、このまま買えないと昼ご飯抜きになる。ここで閃く。コンビニで買えばいい。まさかパンのイベントでコンビニで昼ご飯を買う人はいないだろう。いざローソンへ。ブリトー1個をとてもとても長い時間をかけて買った。現代の寓話。
哀れに思ったのか友人がパンをプレゼントしてくれた。友人は中学の頃からいつも優しい。お返しではないが2年前に買ったまま忘れていた誕生日プレゼントを渡す。いやほらコロナ禍でなかなか会えなくてさ。喜んでくれた。やっぱり優しい。
いい雰囲気になったところで、今回最大の痛恨発生。カメラを落として破損。
隙間が見える…。どういう落とし方をしたらこうなるのか。
友人には全然平気よって顔をしていたが、内心げそげそしていた。こういうことは長い人生においてはほんの数秒の出来事だ。たいしたことない。げそげそ。