また紙の本を買ってしまった。
紙の書籍を増やしたくないけれど買いたいがために旅に出たら買うという口実を見つけたのだが、気が付けば旅にすら出ないまま本を買ってしまう現実が重くのしかかる。
積読のままだと罪悪感が更に増すので読もう。
『優雅な生活が最高の復讐』
フィッツジェラルドがいたあの頃の、華やかで愚かだったエピソードの数々。読みながら友人のことを思い浮かべた。この本はあなたが好きなはずだから、いつか押し売りならぬ押し貸しをしようと画策しながら読んでいた。
『樽とタタン』
「町内会の草野球チーム」まで読了。タタンと喫茶店の人たちとの、そこにいなければならないわけではない関係性がいい。よく見かけるけど深くは知らない人たちで、会わなくなったらそれきり。携帯やSNSが普及していない時代の場で結ばれた人間関係はある程度ドライにならざるを得なかったのかもしれない。
追記
『樽とタタン』読了。
かわいらしいタイトルと表紙のイメージで読むと、実際ほのぼのとはしているのだけど一筋縄ではない絡まり方をした連作短編集だった。これは思い出なのかそれとも…。子どもの頃の曖昧な記憶は事実と虚構の境界を滲ませてしまう。
一番好きなのは「ぱっと消えてぴっと入る」作品のなかで異質というか、ここで風向きがするりと変わった気がする。