地獄とは神の不在なり/テッド・チャン

たつみ
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2024年3月21日 読了

オススメしてもらって読みました!「あなたの人生の物語」という本の中からひとまずこちらを先に。題名から既にかっこよすぎる。訳者さんのセンスがいいですね。

これもどういう話なんだろ~ワクワク🎶って思ってたら冒頭から既にオチが書いてあった。

これはニール・フィスクという名の男がいかにして神を愛するようになったかを描く物語である。

私は八百万の神は軽い感じで信じているけれど唯一神に関しては……なので、ふむふむなるほどね。ニールがどうして神を愛するようになったのかを教えてもらおうじゃないの、なんて思いながら読み始めた。

ニールの気持ちめっちゃわかる……ニールが神より奥さんを愛してるの最高だよ。別に地獄に行ってもいいけど地獄だと奥さんと会えないから天国に行きたいって思うのほんまに良。だから天国に行く為に神を愛さなくては……とか思ってたのに最終的に神の謎力で神を愛することになっちゃったのは笑った。力業すぎないか?それでいて地獄に落とされてるのもさぁ……。神よ。

でも私はヨブ記みたいな理不尽な神の所業のお話が大好きなので罪のあるなしに関わらず天使が厄災起こしてるのほんま~~に良かった。神はこうでなくっちゃね🎶と思っていたらこの話ってヨブ記から着想を得ていたらしい。ヨブ記の最後で神がヨブに報いることは悪い出来事は善人の身にもふりかかるというメッセージの強さを弱めているんじゃないか?って………確かに~~!!

そう言われてみれば……私はただただヨブ可哀想だし最後も富は戻って来たけど今までの子供と新しい子供は違うし神ってズレてるよな。でもそういう絶対神の人間との認識のズレ萌え~~と思うくらいだった。チャン先生すごい。

あと天国にいると思ってた夫が地獄にいたから自殺する奥さんのエピソードもよかったな~~私もこの世界では地獄行きなので誰かと地獄で過ごしたいな🎶

@tatumimimi
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